研究概要 |
今年度は本研究の初年度であり, 情報活用能力の育成のためのシステム開発を次の2点に絞ってすすめた. 1.大量の映像を発生させながら自動的にキーワードをつけて保存することができ, 記録をとりながら検索できるシステムの開発 円, 四角形, 三角形という幾何図形からなる類似画像を3000枚まで乱数で発生させるプログラムが完成した. 3000枚すべてが3種類の図形の色の組み合わせ, 数, 位置のどれかが異なっているように発生させる. ディスクに記憶させるのは画像ではなく, 同じ画像が再現できる最小限の情報になっている. また, 検索部は学習者の氏名を使って対話しながら自動的に記録をとるようになっており, 検索手順が最適であったか否かをあとから評価できるようになっている. このプログラムはPC9801に限らずマイクロソフト系BASICの使える機種ならばどの機種でも使えるように配慮した. 現在, IBM5550, パナコムMシリーズ, FM16β, FM-Rシリーズで利用できることを確認済みであり, これらの機種を持っている公教育機関が希望すれば, いつでも提供する用意がある. 2.客観的情報を児童が付与する情報作成システムの開発 ナショナルのFS5500(MSX2)を使ってビデオカメラでとった類似映像に最大10個のキーワードをつけて蓄積するシステムを開発した. このシステムの特徴はビデオディジタイズした1/2画面の児童の顔や昆虫の絵など関心のある映像を用いて検索できる. また, 記録を見ながら検索手順が良かったか否かを再試行しながら検討できる. 上記2点に関しては予定通り開発を完了した. 来年度はこのシステムを算数の授業で使ってみて, 情報活用能力の育成に寄与できるか確認する予定である.
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