昭和63年度は、62年度に検討した小学校で可能な情報活用能力の枠組みを既存教科での授業の指導に結びつけることを研究の柱とした。 具体的には、以下の四点について研究をすすめた。 1 情報検索を通して客観的な情報を把握させる実験授業を、東京学芸大学附属大泉小学校と一般の公立小学校でおこなった。そのための必要なプログラムを開発した。最初は画像情報に勝手なキーワードをつけていた児童も、第三者がわかる、思い浮かべられることばを考えるようになり、それがどのようなものであるかを実感として学んだ。 2 小学校におけるコンピュータ利用の実践例から、情報活用能力に結びつく内容を調査して、本研究における実践のねらい以外の側面を補足した。少し工夫すれば検索以外にも正確な情報の記憶、情報の加工(変更)、印刷の意味や便利性を強調した利用法に発展できる実践例がみられた。 3 小学校の児童でも操作できる情報活用能力育成のためのツールについての研究をおこなった。昭和60年度以降に公開授業をおこなったり、雑誌等に発表した小学校の実践例を調査したが、そのほとんどはコンピュータをできるだけ意識させないように操作や展開面で配慮したものであった。本研究のようにあえて意識させる事例は大変少ない。 4 新学習指導要領には含まれていないが、コンピュータ言語を用いた情報活用能力の育成の観点から、児童がLOGOを使って情報を処理できるようになるための命令の習得や、児童の関心のある課題を検討をおこっなった。
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