研究課題/領域番号 |
62580239
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
福岡 敏行 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (40165270)
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研究分担者 |
稲垣 成哲 横浜国立大学, 教育学部, 助手 (70176387)
森本 信也 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (90110733)
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キーワード | APU / 科学的思考力 / 観察能力 / 実験計画能力 |
研究概要 |
近年になって色々な目的によって各国で国レベルの大規模な児童・生徒の学力調査が行なわれている。色々な調査などの結果から、日本の児童・生徒は科学的思考力や観察・実験を中心とした問題に対して余りよくないと言われている。本研究では、英国の児童・生徒の実態をAPUの報告書から求め、日本においては、APUの評価問題を参考にして作成した問題により、神奈川県の児童を中心にして実施して児童の実態を調べ、両者の比較を行なってきた。今年度は、児童の学力の中心的存在であるこれらの科学的思考力や観察能力、さらに実験計画能力に目を向けて研究をまとめた。 1.科学的思考力については、色々な情報を組み合わせて仮説を設定する能力、すなわち創造力において重要な拡散的思考力を評価するものであったが、日本の児童は、小学校中学年において急速に発達すると見られる。しかしその先では、余り進展が見られない。また、複数の仮説設定を要求するほど、全体的にその能力は低い。 2.観察による情報の処理能力についは、触覚による方法を選んだ。学年の進行に伴って、より一般的に表現できるようである。 3.実験計画能力については、計画の展開には順序性は余り見られない。また条件のコントロ-ルはほとんどできない。 以上の結果から、児童の発達段階と深い関わりがあると考えられるが、同時に、研究を深めていく内に、児童自身のオルタナティブフレ-ムワ-クや、ミスコンセプションとの関わりが深いことも見逃してはならないことがわかった。 今後の課題として、上記の実態をより明らかにし、同時に、日本では学校で多く実施されている評価方法自体にもメスを入れ、改善をしていくことが望まれる。
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