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1987 年度 実績報告書

ドイツにおける現代中等理科教育成立過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62580248
研究機関広島大学

研究代表者

秋山 幹雄  広島大学, 教育学部, 助教授 (70039212)

キーワードドイツ / 中等学校 / 理科教育の成立過程 / 物理教育の目的・目標論
研究概要

19世紀の広範, ドイツの中等学校の主流であったギムナジウムにおいて, 自然科学教育が確固とした地位を築くためには, 自然科学の実用的な価値だけでなく, 人間形成としての自然科学固有の陶冶価値が明確にされなければらなかった. 本年度は, まず, こうした課題に対し, 関係者たちが展開した理論や主張を彼らの論文などを通して明らかにすることであった.
その代表的人物に, F.Poske(1852〜1925年)やA.Fofler(1853〜1922年)などがいるが, 特にFoflerの「物理教育の新人文主義的課題」に関する見解を明らかにすることを中心に研究を行った.
Foflerは, この問題について, 物理教育においては, 物理学の中に含まれる論理が新人文主義的成果をもたらすとし, 物理学固有の論理を明らかにするとともに, 物理学の論理の中にある理論と実践の結合を説き, 物理学の文化史的取扱いの必要性について触れ, 物理教育における生徒の心理的側面を配慮することの重要性を指摘し, 歴史や文学及び物理学における固有の陶冶的価値とそれらの調和的対応の必要性などについて論を展開している.
こうした彼の見解は, 基本的にはPoskeのそれを継承したものであるが, それをさらに前述のような総合的見地から見直し, 物理教育の新人文主義的陶冶価値をより鮮明にしたところに, その大きな意義を見い出すことができる. また, この見解は, ドイツの中等学校における自然科学教育成立の契機となった1905年のメランにおける自然科学教育改善のための提案にも大きな影響を及ぼしていることなどが明らかになった.
今後の研究として, こうした物理教育の目的・目標論を受けて, どのようなカリキュラム構成論や教授方法論が展開されていったのかといった問題について, 関係する文献などを中心に明らかにしてゆくつもりである.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 秋山幹雄: 科学教育研究.

  • [文献書誌] 寺川智祐: "現代理科教育学講座3巻歴史編" 明治図書, 212 (1986)

  • [文献書誌] 井藤芳喜: "現代理科教育学講座5巻方法編(上)" 明治図書, 202 (1986)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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