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1987 年度 実績報告書

創造性を養うための発見的教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 62580249
研究機関徳島大学

研究代表者

脇 健  徳島大学, 総合科学部, 教授 (70035301)

研究分担者 吉川 研一  徳島大学, 教養部, 助教授 (80110823)
キーワード視聴覚教材 / 非線形非平衡 / リズム現象 / 引き込み現象 / 秩序形成 / 非線形振動
研究概要

学生や生徒が, 自然への驚ろきを持ち, 自然から学ぶ力をつけることができるような, 新しい教材の開発をめざして研究を行なった. とくに, 視覚に訴える実験として, 時間的なリズムが生じたり, 空間的な秩序の形成される化学的システムをとりあげて, 教材化を試みた. 本年度は, 塩水とコップがあれば実験の行なえる, 塩水振動子を中心に実験をすすめた. コップの底に小さな穴をあけ, コップ内に食塩水を入れ, それを真水の容器に浸すと, 穴を介して, 塩水・真水の周期的運動が生じる. このとき, コップの内外に電極を入れておくと, 水の上下運動を, 電気信号として記録することができることを見い出した. さらに, コップの穴の大きさ, 食塩水の比重, 外水面の面積などを変化させると, 水の上下運動の周期が特異的に変化することも分った. このような実験をすすめるうちに, 次のような意外な事実を見い出した. すなわち, 2つのコップを並べて, 実験を行なうと, 水の上下運動の周期が, 自発的に揃うことである. これは, 非線形振動子に特有な, "引き込み現象"である. 恐らく, 今まで知られている中でも, 最も簡単な実験系での"引き込み現象"である. 以上のような興味深い現象を, 非線形微分方程式により, 理論的にシミュレートすることも試みた. その結果"引き込み現象"も含め, コップの穴を介しての水の上下運動を, 理論的に解析することにも成功した. これらの, 実験の進み方や, データの解析方法等は, VTRに撮影・編集を行なった. 全国20個所以上の, 大学・研究所・高校・中学・教育委員会に, このVTRテープを配布した. その反響は大きく, いくつかの大学や高校で, この塩水振動子の研究を初めるようになっている. このように, 本年は, 当初予想した以上の成果をあげることができた. 次年度にむけて, 更に, 新しい教材の開発をすすめていきたいと考えている.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 吉川研一: 生物物理. 27. 17-21 (1987)

  • [文献書誌] 石井淑夫: 現代化学. 5. 12-16 (1987)

  • [文献書誌] 吉川研一: Ferroelectrics. (1988)

  • [文献書誌] 吉川研一: World Scientific Advanced Series in Dynamical Systems. 4. (1988)

  • [文献書誌] 吉川研一: 現代化学. 4. (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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