本研究の成果を次に箇条書に列拳する。(1)Pascal言語の在宅学習用教育プログラムの初期バージョンを完成した。(2)簡易入力装置として商用化されているジョイスティック、マウス、タブレットなどの重度身体障害者用入力機器への応用性、経済的実現性を調査した。(3)ソフトウエア産業界でのソフトウエア、エンジニアの生産性、バックログの滞積状況を調査した。(4)教育プログラムのモジュール試験を行った。(5)プロトタイプ、モデルにより重度身体障害者へのシステム適合性を実試験した。(6)ソフトウエア生産の作業内容を実地調査し、教育システム全体の調整を行った。(7)リハビリテーションセンターでの実地評価を行ない次の知見を得た。CAIの本質的問題点が指摘された。つまり、各設問、説明が単調であり、問題および解説せ読まなくなる。ファンクション・キーを多用し操作を容易にする必要がある。障害者への応用では、軽度の障害者に適応したので特別な入力装置は不必要であった。(8)ホスト・コンピュータと端末装置の間で行う通信方式は、その転送内容および安全性などを考慮して、再度詳細に検討する必要が生じた。(9)操作方法や教材作成などを行うたけの各種ドキュメンテーション、マニュアルの整備を行なった。(10)教材作成の自由度を向上し、Pascal言語以外のCAIシステムを作成することも容易に行なえるシステムとした。 今後の研究の展開について次に箇条書に列拳する。(1)必要に応じて言語内部での処理過程を理解できるシステムが望まれる。(2)解説文書に理解できない言葉がある場合など、それらの言葉を検索できる辞書が必要と考えられる。しかも、検索を容易にするためにハイパー・テキストの概念を導入することが待たれる。(3)受け入れ側である人間の判断、学習系を明確に理解する尺度が必要である。
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