映像教材のサマリ-は、映画の予告編のようにその内容を要約したものである。予告編は通常、動画と音声によるものが多いが、デ-タベ-スに蓄積する場合、動画を用いると膨大な記憶容量を必要とするため静止画と音声による組合せが現実的である。本研究では、放送教育授業番組を題材にして、番組を構成している要素を分析し、映像教材サマリ-作成のための指針を得ることにした。 サマリ-の作成は、映像教材の制作に携わったディレクタ-や担当講師によって行なわれるべきものであるが、諸般の事情から困難である。また、第三者が作成することも考えられるが、大量の教材(例えば数千)のサマリ-を人手によって作成することは労力の点で不可能に近い。 そこで本研究では、放送大学授業番組を用いて(1)タイマ-による等間隔型と、(2)映像の変わり目に着目するカット対応型でそれぞれサマリ-を自動的に編集する実験を試みた。 カット対応型は、市販されている警報システム機器を用いてビデオ信号中の輝度信号の変化を検知してシ-ンを電子的に抽出するもので、画面中に4つのセンサ-マ-カ-を設置した装置を試作した。またカット対応型に着目した理由は、番組はいくつかのシ-ンによって構成され、シ-ンはいくつかのカット(画面の転換点)とそれに付隨した音声からなっており、画面の転換点には重要なキ-となる情報があると仮定した。 番組の分析から、1番組(約45分)当り100カット前後のシ-ンを記録する必要があり、さらにカットの変化2秒前から音声を記録し、変化3秒後の画面を記録するとキ-画面とキ-ワ-ドを抽出することができる。 また、サマリ-を視聴した後のアンケ-ト調査の結果より、カット対応型で編集されたサマリ-は有用であることが確かめられた。
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