研究分担者 |
伊永 隆史 岡山大学, 環境管理センター, 助手 (30124788)
高橋 照男 岡山大学, 工学部, 教授 (60032918)
平井 英二 金沢大学, 工学部, 教授 (80019695)
高月 紘 京都大学, 環境保全センター, 教授 (80026228)
白須賀 公平 東京大学, 環境安全センター, 助教授 (60011003)
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研究概要 |
大学・研究機関・医療業に限らず先端技術産業や都市圏からの廃棄物処理に対するニーズは多種多用となり, 発生源の不定期・不均質な排出特性に対応した小規模処理システムが不可欠となりつつある. 本研究では排水処理システムを個々の単位操作に分け, それぞれ独立に流入水質や処理水質などの評価・解析を行うことにより処理プロセスの特性や評価基準をまず明らかにしたうえで, 人工知能(Ar)を用いたエキスパート・システムの考え方の適用を試みシステム全体として最適化を図る. 研究計画に基づき, 本年度は大学等から排出される処理困難な混合系排出として, ジカルボン酸が共存する亜鉛含有廃液の水酸化アルミニウム凝集による共沈・凝集沈澱処理プロセスの操作特性評価や, リン酸及び有機化合物を含有した場合のフエライト化反応を飽和磁化測定により評価する手法を新たに開発, 小規模処理プロセスの解析を行った. さらに混合系排水の処理プロセスにおけるシアン化合物の生成挙動についても検討, 厨房系排水・芸術系排水・先端技術系排水についても処理プロセスの評価手法を確立するとともに, 処理阻害要因について一部明らかにした. 厨房系排水では生物処理への負荷低減策として小規模食堂排水への適用性を考慮し, セラミックス吸着剤等を用いる油水分離処理プロセスの特性評価を行った. 半導体産業を始めとする先端技術系排水では, 無機系表面処理剤のクロム酸-リン酸系混合廃液が処理困難な代表で, リン酸を分離し, 水酸化クロムを効率的に沈澱生成するための新しい小規模処理プロセスの開発を試み, 実廃液についても成功の見通しをうることができた. 今後, この種の処理困難な排水や処理法未知の人為起源物質がますます多発する経済環境にあるため, 「人間と環境システム」を考慮しながら発生源対応型小規模排水処理システムの最適設計方法の開発と評価を目標とした研究をさらに推進する予定である.
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