研究分担者 |
松本 伍良 北海道工業大学, 教授 (20001670)
東 照正 大阪大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80116087)
法村 俊之 産業医科大学, 医学部, 助教授 (20039530)
宮本 博司 徳島大学, 医学部, 教授 (50088514)
伊達 宗行 大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
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研究概要 |
本研究では人工物理環境の中でも特に磁場と電場を対象として取上げた. 本年度は各研究分担者それぞれに装置の整備または実験系の設定を行い, さらに生体系への影響についてしらべた. 伊達は超高磁場(パルス磁場および静磁場)を生体系実験に利用するための周辺装置の開発を進めた. すなわち磁場中サンプルセルの温度設定, 光ファイバーによる光学系設定, OCDカメラ装置などについて測定系が高磁場の影響を受けないようなアレンジを行なった. 東は伊達と協同で, 8T超伝導磁石中, 常温中でフィブリン形成反応に及ぼす磁場効果をしらべた. すなわちゲル化反応が1-2時間で完了するような条件下で, フィブリノーゲン溶液にトロンビンを添加し, 反応速度と生成物をしらべた. ゲル化にともなう濁度の時間経過には磁場の影響はみられなかったが, 最終産物の光透過度には差があり, 速査型電子顕微鏡像をしらべるとフィブリン線維の長軸が印加磁力線の方向に整然と配向していることがわかった. 志賀は高磁場中の試料の光学的変化をモニターするための反磁性ライトガイド付き分光器を整備した. また, 常磁性赤血球を不均一磁場中で流すとき, ある程度内では帯磁率と磁場強度と磁場勾配の積に比例して赤血球の不均一分布が起こることを示した. 飯塚は高速レーザーフォトリシス法によりヘム蛋白の光解離配位子の再結合反応に対する磁場効果をしらべ, 1T以下では効果がないことを示した. 宮本は培養細胞のRb取り込み系に対する静磁場の効果をしらべ, 法村は培養ヒトT細胞に対する振動磁場の効果をしらべたが, いずれも変化は検出できなかった. 前田は走磁性生物のもつ磁気センサーとしてのマグネタイトの性質をしらべた. 松本はイオン流下のシャトル箱を開発改良し, ラットのイオン流忌避反応に対する用量反応関係を詳細にしらべた.
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