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1987 年度 実績報告書

環境汚染物質の神経毒性に関する生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62602512
研究機関東京大学

研究代表者

小宮 義璋  東京大学, 医学部, 講師 (50010046)

キーワード神経毒性 / 軸索内輸送 / β, β^1イミノジプロピオニトリル(IDPN)ニューロフィラメント / 微小管 / 脊髄後根神経節 / m-ヘキサン / アクリルアミド
研究概要

神経系に毒性を有する各種薬物は, その主な作用部位により幾つかのグループに分けることができる. 各群の代表的な薬物につきモデル系を作成し, その作用機構を in vivo で解析して来たが, 本年度はこれらのうち特にニューロフィラメント蛋白の輸送機構の解析と β, β'-イミノジプロピオニトリル(IDPN)の作用メカニズムについて得られた結果を中心として報告する.
1.ニューロフィラメント蛋白の軸索内輸送機構
軸索内のニューロフィラメントは従来, 重合したままの形で輸送されると考えられてきた. その主な根拠は視神経軸索内のニューロフィラメント蛋白には脱重合した部分が見出せないことと, ニューロフィラメントは蛋白の輸送パターンが時間が経過しても殆ど変化しないことなどによっていた.
このような考えに対して, ^<32P->-オルト燐酸でニューロフィラメント蛋白を標識した実験を行ってみると, 脱重合していると思われる可溶性分画がかなり大量に得られ, また坐骨神経運動繊維を用いた 長い時間経過の解析からニューロフィラメント蛋白の輸送パターンも, 時間の経過にともなって幅が広がり高さが低くなることを見出した. これらのことから軸索内のニューロフィラメント蛋白は重合・脱重合を繰り返していて, 脱重合された形で輸送されるという仮説を提出した.
2.β, β'-イミノデプロピオニトリル(IDPN)の作用メカニズム
^<32P->-オルト燐酸でニューロフィラメント蛋白を標識してみると, 通常のスピードで輸送される部分以外に, それよりずっとはやい速度で移動する部分が見出される. この部分の輸送はIDPNによって全く阻害を受けない. 通常の速度で輸送される部分も, IDPNによる阻害効果ははるかに弱い. これらの結果からIDPNの作用点は, ニューロフィラメント重合・脱重合変換の阻害にあると考え, 実験を進めている.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Komiya,Y.,Cooper,N.A.& Kidman,A.D.: Journal of Biochemistry. 102. 869-873 (1987)

  • [文献書誌] Kato,T.Ishihara,H.,SHimizu,A.,Yokosawa,H.,Ishii,S.& Komiya,Y: Neuroscience Research. 4. 241-248 (1987)

  • [文献書誌] Komiya,Y.& Tashiro,T: Cell Motility and the Cytoskeleton. 9. (1988)

  • [文献書誌] Tashiro,T.& Komiya,Y.: Journal of Neuroscience. 8. (1988)

  • [文献書誌] 小宮 義璋: 生化学. 59. 223-229 (1987)

  • [文献書誌] 小宮 義璋: 代謝. 24. 817-824 (1987)

  • [文献書誌] Tashiro,T.& Komiya,Y.: "Organization of cytoskeletal proteins transported in the axon. in Axonal Transport, eds. Smith, R. S. & Bisby, M. A." Alan R. Liss, Inc., 201-221 (503) (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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