研究概要 |
1 研究の目的 本研究は都市ゴミ, 汚泥の埋立地および家畜ふん尿の処理によるメタンの発生機構の解明, その発生量の原単位を測定産出し, これらの原因によるメタン発生の制御するための基礎的知見を得ることを目的とする. 2 研究の成果および考察 (1) 東京湾埋立地のメタン発生量の推測 わが国の年間に発生する廃棄物は約2億6000万トンといわれている. また, 東京湾の埋立量は, 羽田沖等の埋立地(8, 13, 14, 15号)で約1億5000万トンと推測され現在も進行中である. 現在までの埋立量のうち炭素量(14%)が2100万トンとなり, その50%が30年間でガス化し, その60%がメタンとなると考えられている. この数値より現在までの埋立物質から発生するメタンガス量を算出すると, 1.3×10^<10>Nm^3となる. (2) 厨介のメタン発酵試験 キャベツ, キュウリ, ダイコン, ミカンの4種を搾汁しメタン発酵試験を実施した. 搾汁量は試料1kg当り500〜700mlで, その濃度はBODがキュウリ20, キャベツ, ダイコン30, ミカン80g/l, 全糖がキュウリ20, その他45〜50g/l, 有機酸がダイコン0.7, キャベツ, キュウリ1.8〜2.5, ミカン14g/l程度であった. また, 炭素は試料1kg当りキュウリ6, キャベツ, ダイコン10, ミカン26g程度であった. 搾汁液のメタン発酵試験(37°C発酵槽5l)は条件によって異なるが, 試験結果の1例を示すと, 30日間発酵を続けてミカンが1kg当りでメタンが8l, その他は0.7〜1.3lであった. また回分試験では30日滞留で, 0.5kg-BOD/m^3dayとして, ミカンが約15l/day, その他は2〜4l/dayのメタンが発生した.
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