• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

電導性高分子における構造修飾の機能発現機構の基礎解析

研究課題

研究課題/領域番号 62604547
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

細谷 治夫  お茶の水女子大学, 理学部化学科, 教授 (10017204)

研究分担者 鷹野 景子  お茶の水女子大学, 理学部化学科, 助手 (00143701)
キーワード電導性高分子 / 芳香族炭化水素 / 分子軌道法 / 状態密度 / 環状二量体 / 結合交替 / HOMO-LUMOギャップ / グラフ理論
研究概要

電気伝導度の高い有機高分子の中の基本的物質の一つである縮合多環芳香族炭化水素の種々の線状及び環状に量体について, HMO法及びPPP-variable-β, γ法によるπ電子構造の計算を行い, ネットワークの基本的単位の構造とその連結のトポロジーが, 共役高分子系の電子構造の種々の特性にどのような影響を与えるかを解析した. 計算の対象としたπ電子ポリマーは, 直線状およびジグザグポリアセン, O-, m-, p-ポリフェニレン, ポリジグザグアントラセン, ポリフェナントレン, ポリナフタレン, ポリアントラセン, ポリテトラセン等々, 及びこれらのネットワークに規則的にメチレン鎖を導入したものなどである. 得られた結果の要約を以下に列記する.
(1)解析的なHMO法による状態密度の計算 われわれの研究室で最近開発した演算子法やtransfermatrixの手法を使うことによって, 種々の共役系について従来得られていなかった状態密度や, 特性多項式の斬化式と一般式を解析的に求めることができた. HOMO-LUMOギャップがOになるかならないかの判定とその原因をグラフ理論的に解明することができた.
(2)半経験的PPP法とHMO法の結果の対応 HMO法による解析結果の特徴が電子間発生を考慮したPPP法によってどこまで再現されるかを調べた結果, 無限大系のエネルギーの状態密度のプロフィルがかなり定量的にHMO法によって得られることが示された. 両方法の結果の対応のよくない系では, 共鳴構造式の検討から結合交替の補正を再小限行うことによってHMO計算でPPP計算の結果を再現できることがわかった. またHOMO-LUMOギャップの大きさは両方法で平行関係にあることも示された.
(3)環状二量体の本質 無限大系の状態密度の特異点の大部分が仮想的な環状二量体の軌道カネルギーに一致するというHMO法の結論が, PPP法によっても支持されることが示された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Haruo Hosoya: Journal of Computational Chemistry.8. 358-366 (1987)

  • [文献書誌] Haruo Hosoya: Applied Discrete Mathematics. (1988)

  • [文献書誌] Milan Randic: Journal of Computational Chemistry. (1988)

URL: 

公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi