研究概要 |
「東アジア比較研究」という全体的課題のなかで, 中国大陸および周辺の香港, 台湾地域を比較研究するというA班の研究課題は, 極めて重要かつ現実性を帯びたものであるとの共同認識のもとに, 本年度の研究を推進した. 昭和62年度は, 数回の研究会がおこなわれ, また研究代表者と分担者および各分担者相互間での研究報告, 研究打ち合せは随時おこなわれた. なかでも全員参加の研究会は合宿方式によって集中的におこなわれ, きわめて効果的であった. まず62年7月12日(日)には大磯での全体会議ののちA班の本年度第1回の研究会がおこなわれ, 問題点の探求ののち具体的な研究分担が決められた. 中国の政治体制・政治状況と現代化に関しては, 徳田教之(筑波大)と小島朋之(京産大)が分担し, 経済体制・経済政策と現代化に関しては, 尾上悦三(東京国際大)と中兼和津次(一橋大)が分担, 香港, 台湾に関しては中嶋嶺雄(東外大)が主に政治・社会面を, 尾上悦三が経済面を担当することとした. 第2回研究会は9月27日(日)〜28日(月)に京都産業大学で開催され, 徳田「中国政治体制改革をめぐる諸問題」, 中兼「中国における農工間資源移転」の2つの報告および討論がおこなわれた. 第3回研究会は1月9日(土)〜10日(日)に稲取保養所(東伊豆)でおこなわれ, 尾上「1987年の中国経済の回顧と88年の展望」, 小島「中国の政策決定構造について-最近の政治改革と関連して」の2つの報告および討論会がおこなわれた. いずれも専門家同士の水準の高い議論であったが, 各分担者は役30枚(400字)の原稿を年度末に提出し, 研究代表者が整理・総括して, 次年度の研修へと引き継ぐことになっている.
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