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1987 年度 実績報告書

電子-分子, イオンー分子衝突励起・解離過程の高分解能発光スペクトルによる研究

研究課題

研究課題/領域番号 62606519
研究機関九州大学

研究代表者

小川 禎一郎  九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (50028156)

研究分担者 中島 慶治  九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (50188934)
キーワード電子衝突 / イオン衝突 / ドプラー線形 / 高励起状態 / 解離 / 素過程
研究概要

電子-分子衝突を利用した分子の励起解離過程についての従来よりの研究を一段と発展させると共に, イオンー分子衝突室の試作を開始した.
1.電子-分子衝突による分子の励起解離過程の解析
(1)アセチレンの励起解離による励起水素原子生成過程を, バルマー線のドプラー線形及びその角度依存性を正確に測定し解析することにより研究した. 主要な励起水素原子生成過程が三つあり, それらのしきい値は20.8, 約30, 35-40eVで,それらの並進運動エネルギーは0-2, 3-5, 6-8eVであった. これらの非対称パラメーターはすべて正で, 直線構造から解離するとすれば平行遷移に基き, 中間状態の対称性はΣuである. 特に第一成分の非対称パラメーターは0.5であり, 中間状態は分子回転程度の寿命を有する.
(2)水および水素分子より励起水素原子を生成する過程について, 解離成分別にファノプロットを測定し, 解離過程の対称性を定めた. 水については第一第三成分が光学許容, 第二第四成分が光学禁制と結論した. 水素では速い成分が光学禁制, 遅い成分が光学許容であった.
(3)フルオロベンゼンの電子衝塑による親分子の発光スペクトルの振動構造を詳細に解析した. トルエンの場合と同様に光学許容な振動構造が支配的で禁制な準位が強かったベンゼンとは異なる. 励起関数をも測定した.
(4)アセチレンの電子衝塑による親分子の発光スペクトルを測定した. 発光は240-400nm領域に現われ, 幅広く, Si-So遷移に帰属した.
2.イオンー分子衝突による分子の励起解離過程の解析
補助金により, イオン分子衝突室, 6インチトラップ, ゲーバルブ, 油回転ポンプを購入し, 油拡散ポンプは既設のものを転用し, イオンー分子衝突実験装置の組立てを行った. 目下イオン銃部分を調節中である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Nakashima,H.Tomura T.Ogawa: Chemical Physics Letters. 138. 575-578 (1987)

  • [文献書誌] T.Yoshidome,M.Tniguchi,K.Nakashima,H.Kawazumi,T.Ogawa: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 61. 375-377 (1988)

  • [文献書誌] T.Ogawa,H.Tomura K.Nakashima,H.Kawazumi: Journal of Chemical Physics. 88. (1988)

  • [文献書誌] T.Ogawa,M.Taniguchi,K.Nakashima: Electronic and Atomic Collisions (Proceeding of the 105 ICPEAC). 15. 339 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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