研究概要 |
異なる光プローグを使って総合的に表面の物質相を調べるために研究会などの機械を通じて相互連絡を深めつつ, 各分担者は次のような研究を行った. [潮田]Ni(111)表面に吸着したニトロベンゼンのラマン散乱を測定し, 約5単分子層までの分子振動のスペクタトルをとらえることに成功した. また, レーザー照射中に錯乱強度が変化する新しい現象を発見した. この原因を現在究明している. 同時に吸着分子のラマン錯乱断面積の絶対値を決定した. [太田]軟X線領域で使用可能なUHV仕様の蛍光X線検出器を開発し, (5 3x2)/Ni(111)の表面EXAFSと軟X線定在波法による測定を行った. Ni(111)の表面第一層が疑似的なC(2x2)S/2Ni(100)に再配列していることと, P(2x2)から(5 3x2)構造への変化にともない表面原子層が約10%収縮することが分かった. [河野]角度分解紫外光電子分光, X線光電子回折及び角度分解逆光電子分光により, Si(111)√3x√3-Bi, Sb, In, Ga, Sn;Si(111)2√3x2√3-Sn;Si(111)2x1-K, Csの表面吸着系の電子状態と原子配列に関する知見を得た. [菅]スピン偏極光電子エネルギー分析器の設計と製作を行った. エネルギー分析器はJOST型半球アナライザーとし, スピン検出器はW(001)面からのLEEDパターンの非対称性を利用するものである. 半球型グリッドとBaO熱カソードを用いた電子銃を製作した.
|