研究概要 |
本研究では高活性な反応種を固体表面上に生成させ, その性質・反応性を詳細に検討することを目的としている. 具体的には清浄なアルミニウム単結晶上に低温でCH_2I_2などのハロゲン化メチレンを導入した後, 温度を上昇させることにより気相中にCH_2ラジカルが放出される. これらの反応についてLEEDやMASSによって調べ, 更に高感度赤外反射法(RAS)でどによってその性質を明らかにする. 1.超高真空系の製作:試料を超高真空下で取扱う必要から超高真空容器を製作し, それに既存のLEED, MASSやRAS装置を組み込むことが出来た. 2.アルミニウム単結晶の調整:単結晶アルミニウム金属をスパークカッターを用いてAl(111), Al(110)およびAl(100)面を切出した. XRDで調べた結果±0.5度以内で正確にこれらの面が現れていることがわかった. 3.調整されたAl(111)単結晶を用いて超高真空下にて低温でCH_2I_2を導入し, 温度を上げながら昇温脱離ピークを調べた. その結果0>1のところで140KのところにCH_2^+ラジカルに生成によるピークが観測された. Al表面にはIが残るが, 773Kに昇温することによって再び清浄なAl面が得られることがわかった. なおAl(111)上に吸着したCH_2I_2はdisorderであることがわかった. 他のAl(110), Al(100)面についても同様に研究を進め, 単結晶面による反応性の相違について検討を行っている.
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