研究概要 |
星の形成は, 星間雲の収縮によって起るが, その過程において, 磁場と回転の効果は大変重要と考えられている. 観測的にも, 星間雲の重力平衡に影響を及ぼすくらいの, 回転と磁場のある事がわかっている. そこで, 本研究では, 回転軸と磁軸が平行である場合の磁気星間雲の平衡形状を求める事を考える. 平衡解は, 質量の分布と角運動量の分布を磁束の函数に対して与える. そうすると, 解は, 中心密度Ρc, 全角運動量Τo, 全磁束Φoと無限遠での磁場の強さB∞で特徴ずけられる. 解くべき式は, 重力ポテンシヤルψと, 磁束Φに対する連立非線型偏微分方程式になる. 座標系としては, 円柱座標(R, ψ, Z)を用いた. 楕円型方程式はSource項が与えられたとして, それぞれSoRで解いて, 全体がcousiotentになるまでiterationをくり返した. まず, 回転がないとして, すでにMous thouiasが与えた解を再現できるかどうかcheckしたがOKであった. 磁場がない回転だけの時も, 今までの解を再現できた. 磁場も回転もある場合には, 10例ほど計算して, 確かに平衡解が得られる事がわかった. 特に回転の効果が強い時には, リング状の物質分布を持った解が見つかった. これは, 遠心力で, 物質が広がろうとするのを, 磁場が押さえるという全く新しいタイプの解になっている. この結果はApjに出版される. さて, 上の解は, 全て, 特別な質量分布と角運動量分布を仮定していた. そこで, 次にこの分布の影響を見る事にした. 簡単のため, 星間雲は回転していないとして, 種々の質量分布に対して, 平衡解を求めた所, 平衡解の質量が最大になる時に, 中心での磁場と面密度の比は, 質量分布の関数系にはよらずに, ある一定値になる事を発見した. これは, 10年前に, 私が中野氏と出した線型不安定性の理論と合致していることがわかった. この結果は, 現在A Strojrbysical Journalに投稿中である.
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