研究概要 |
土壌よりメタノールまたはメチルアミンによる集積培養を行ってPQQ生産菌の単離を行って, 多様の菌株を得た. この中よりリスクリーニングをくり返えして, PQQを高度に生産蓄積する一群の菌株を見出した. 菌学的諸性質を検討した結果, これらはMethylobacillus glycogenesと同定された. PQQ生成機構について検討するために, キノプロテインのターンオーバーとの関連について調査を行った. 菌体の可溶性タンパクの数%〜十数%を占めていたメタノール脱水素酵素の活性は定常期後期に減少の傾向にある. バッチカルチャーの場合, 培養後期に不要となったメタノール脱水素酵素のターンオーバーもあってPQQが培地中に蓄積するものと考えられた. メタノール培地で菌が旺盛に生育しているときにはPQQの生成は乏しく, メタノール脱水素酵素が不要になってくるに従ってPQQが遊離するものと考えられる実験結果を得た. PQQの蓄積の機構について調査することは,スクリーニングや変異処理によって優良菌株を取得することが可能であるのか, あるいは, PQQの遊離を強制させることで通常の菌株を用いてもPQQの生産の実を上げることが可能であるのかについての知見を提供することになる.
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