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1987 年度 実績報告書

テラトカルシノーマの分化方向決定に関連する遺伝子の転写制御と機能

研究課題

研究課題/領域番号 62620513
研究機関鹿児島大学

研究代表者

村松 喬  鹿児島大学, 医学部, 教授 (00030891)

研究分担者 村松 寿子  鹿児島大学, 医学部, 助手 (50182134)
キーワードテラトカルシノーマ / 胚性腫瘍細胞 / レチノイン酸 / DNA結合タンパク質 / cDNAクローン / マウス発生 / 転写制御 / 細胞分化
研究概要

テラトカルシノーマ幹細胞をレチノイン酸で分化誘導する時, 分化初期段階で発現が誘導される遺伝子MK1が同定された. 幹細胞クローンHM1をレチノイン酸で24時間処理した細胞からcDNAライブラリーを作成し, differential hybridqationによるスクリーニングで, MK1遺伝子がクローニングされた. この遺伝子の規定するメッセンジャーRNAは1kbである. HM1細胞での分化誘導後12時間で発現が増強し, 48時間で最大となった. 以後発現は減少していき, 分化終了時には検出できなくなった. マウス胚では, 発生開始後11日に強い発現が認められ, 15日胚では検出できなくなった. 成体マウスの各種の臓器の中では, 腎臓と脳にのみ弱い発現が認められた. MK1のcDNA塩基配列をジデオキシ法により決定したところ, 分子量約1万のポリペプチドを規定するオープンリーディングフレイムが見出された. このMK1ポリペプチドは塩基性アミノ酸に富み, かつ短い領域ながらウシ白血病ウイルスのDNA結合タンパク質との間にホモロジーを持つことから, DNA結合タンパク質の一種である可能性が生じた. そこでMK1cDNAをSP6の系で転写し, キャップ付加後, 赤芽球の無細胞系で翻訳し, MK1ポリペプチドを作成した. MK1ポリペプチドは部分的にDNAセルロースに結合し, 高イオン強度で溶出された. いっぽう, コンピューターサーベイの結果, MK1遺伝子はヒストン, ステロイドホルモンレセプター, ホメオボックス含有遺伝子とは異ることが判明した. 以上のように, MK1はレメノイン酸による分化誘導の初期段階の転写制御に関与する可能性が強い. 今後, 遺伝子導入によってその機能を検証する予定である. また, レチノイン酸によるMK1遺伝子の発現誘導機構も興味深く, この研究の基盤として, MK1のgenomic DNAをクローニングし, 構造決定を進めた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 門松 健治: Biochem.Biophys.Res.Commun.(1988)

  • [文献書誌] 野口 武彦: "マウスのテラトーマ" 理工学社, 305 (1987)

  • [文献書誌] 村松 喬: "細胞分化" 丸善, 132 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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