研究課題/領域番号 |
62840004
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
遠藤 一太 広島大学, 理学部, 助教授 (90033894)
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研究分担者 |
矢部 正也 日本能率協会コンサルティング, 科学研究所, 所長
北野 保行 広島大学, 理学部, 助手 (20033855)
関 一彦 広島大学, 理学部, 助教授 (80124220)
太田 俊明 広島大学, 理学部, 教授 (80011675)
千葉 保男 広島大学, 理学部, 助手 (10106792)
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キーワード | アモルファスシリコン膜 / プラズマCVD / 半導体粒子検出器 |
研究概要 |
昨年度組み立てたプラズマCVD真空合成槽を用いて、アモルファスシリコン膜を結晶シリコン界面に種々の合成条件で堆積生成させた。プラズマ発生時に、直流電源を用いる方法(DC法)と高周波源を用いる方法(RF法)の両者を試みた。 その結果、水素化アモルファスシリコン膜と結晶シリコンのヘテロ接合のダイオード特性について、次の事がわかった。 1) 漏れ電流は、基板表面の化学的エッチングにより、〜1桁減少する。 2) DC法で製作したものは、RF法で製作したものと比べて、漏れ電流が更に1〜2桁減少する。 3) 現在得られている最適合成条件で作製した試料について、半導体粒子検出器としての性能を調べたところ、検出器を-20℃に冷却した場合、相対論的粒子の検出が可能である事がわかった。 DC法で製作した検出器が、RF法で製作したものと比べて、格段に良好な半導体特性を示すのは何故か検討するために、生成されたアモルファスシリコン膜組成の合成法依存性、ヘテロ接合の界面準位との関係等を物性的手法で調べる準備を進めた。 手始めに、RF法で得られた膜と、DC法で得られた膜とを、透過型赤外吸収法で調べた。その結果、いずれの方法でも、半導体材料として適している膜が形成されている事がわかった。従って、観測されたダイオード特性の顕著な差は、界面付近でのアモルファスシリコン膜と結晶シリコン接合の初期状態に強く依存していると思われる。更に詳しく物性的評価をするための真空紫外光電子分光装置を組み立て、調整を完了した所である。 また、『半導体粒子検出器の開発と応用研究会』を開催し、知識経験の交流を図った。
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