1.Pseudomonas aeruginosa 北海道のアズキ畑土壌から採集した菌のS-7株について、アズキ立枯病菌Fusarium oxysporum FA-3に対する成育抑制作用を検出した。菌のメタノール抽出物をTLC上に展開し、立枯病菌をシードしたプレート上にそのTLCを伏せて培養することで抑制物質がどの位のRf値をもつか調べる方法により3個の活性物質を単離した。これらはスペクトル等から既知物質であるヘミピオシアニン、クロラフィン、フェナジン-1$カルボン酸と同定された。これらはF.oxysporumの発育をそれぞれ100、200、200μg/mlの濃度で阻止した。実際の農業に於いて、これらを使用するアズキ立枯病の抑制研究はその後北海道農業試験場で行われている。 2.Pseudomonas cepacia アズキ畑土壌より単離したP.cepacia B-17株についてF.oxysporumに対する成育抑制作用を認めた。前項と同様の方法で単離した活性物質は3.13μg/mlの最小阻止濃度を示した。スペクトル等により活性物質はピロルニトリンと同定された。また別の土壌から採取したRB425株からはRhizoctonia solani、Verticillium darlialに対して強い抗菌性を示すものが得られたが、活性物質はピロールニトリンとプシューダンの一つの2-heptenyl-3-methyl-4-quinoliolとわかった。また別の株からは2-nonenyl基のついた別のプシューダンが得られた。これらはAgrobacterium tumefaciens、Corynebacterium michigenese、Erwiniacarotovora、Dseudomonas solan acearum、Xanthomonas oryzaeに対し成育阻害活性を示したが、殊にnonenyl-pseudaneが全般に活性を示した。 3.Suillus grevilleiに過酸化脂質生成阻害活性のあることがわかり活性物質を抽出単離した。活性は分離肝細胞を使いADP存在下NADPHに依存する酵素的な脂質過酸化反応を行い、生じた過酸化脂質をTBA法で測定する法によった。得られた活性物質の構造はNMR等により1-Acetoxy-2、4-dehyavoxy-6-geranyl geranyl benzeneと決定された。
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