研究課題
本年度は最終年度であるため、損傷計測・評価手法の開発に加えて、現位置での計測のための電極セル及び超小型ポランショスタットの開発も合わせ行い、数ケ所において実際に損傷計測・評価を実施した。その結果、本手法は、実際のタ-ビン及びボイラ-部材について非破壊的に材料損傷を評価でその事が実証された。本年度の成果を列記すれば、対象材料としては、最も頻繁に高温で使用されているオ-ステナイト系ステンレス鋼、Cr-Mo-V鋼及びCr-Mo鋼であり、これらはボイラ-の加熱器管、タ-ビンロ-タ及びケ-シング、反応容器、ボイラヘッダ-等に用いられている。以下にそれぞれに対しての検出可能となった損傷形態と検出手法についてまとめて示す。1.オ-ステナイト系ステンレス鋼321及び316鋼のσ相析出及び炭化物析出による脆化及びクリ-プ抵抗変化をKOH溶液によって検出可能とした。又クリ-プ損傷検出をインピ-ダンス法で開発した。2.Cr-Mo-V鋼の焼戻し脆化検出のための溶液開発を行い、従来法のピクリン酸素に比べて著しく感度高い検出液を見出した。3.Cr-Mo鋼ついては、長時間時効に伴う炭化物析出を、特にM_6Cに着目して検出する溶液の開発を行い、測定電流値と軟化量ΔHv、脆化量ΔFATTそして実機の温度推定を可能とするラ-ソン・ミラ-バラメ-タとの対応を明示、確立した。4.現位置計測・評価のためのジェル電極の開発、小型セルの開発そして超小型携帯用ポテンショスタットの開発を行い、現位置での計測を数例実施し、損傷の評価を行った。5.損傷検出手法の標準化と、デ-タ・ベ-スの構築を行った。
すべて その他
すべて 文献書誌 (3件)