研究課題/領域番号 |
62850018
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
駒井 謙治郎 京都大学, 工学部, 教授 (70025948)
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研究分担者 |
大木 裕史 ニコン, 開発課, 係長
箕島 弘二 京都大学, 工学部, 助手 (50174107)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 3次元形状 / 非接触測定 / レーザ / 非点収差法 / 腐食損傷面 / 腐食ピット / 破面 / 繰返しSCC |
研究概要 |
機械・構造物に長期間にわたって必要十分な安全性を確保するためには、環境を考慮した動的環境強度評価とその破壊機構解明を行う必要がある。腐食疲労・応力腐食割れき裂は腐食ピットより生じることが多いが、そのき裂発生の力学的条件決定に対して破壊力学的手法の有用性が指摘されている。しかし、ピットの3次元形状・寸法を従来は目視顕微鏡観察により決定していたため、多大な労力・時間を必要とし、統計的推論に必要とされる多数サンプルの計数は困難であった。本研究では、光ディスクなどのオートフォーカス(AF)機構として実用化されている、レーザビーム合焦点方式を応用して、腐食損傷面の3次元形状を短時間で捉えられる3次元高速走査マッピング装置を開発した。本装置は、非点収差法による非接触距離測定部であるマッピングヘッドと、面走査およびマッピングヘッド出力の計測・表示を行うコンピュータシステムよりなる。測定範囲は、金属損傷面観察用として約170μmと通常のAF機構(約20μm)に比べて広くとってある。また、被検物の反射率補正や外乱光の除去回路を有するなど、通常のAF機構にない機能を有している。さらに、測定の便を考えて、可視発光ダイオード光を測定レーザ光と同軸に入射して、非検物上の測定点を可視化している。本装置の有用性を調べるため、腐食ピット、腐食疲労損傷面、繰返しSCC・空中疲労破面、腐食摩耗面の3次元形状を測定した。これより、急激に落ち込んでいるピットをも含んで、腐食損傷面、破面の3次元形状が精度よく求まった。ステレオ画像処理技術を用いた3次元画像再構築では、急激に高さが変化する場合の形状把握には困難な場合があったが、本装置により手軽に、急激に高さが変化する場合をも含んで、広い範囲(〜25mm)の3次元形状を精度よく(<1μm)短時間で求めることが可能であり、3次元形状定量評価技術として有効な手法である。
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