研究課題/領域番号 |
62850020
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料工学
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研究機関 | 東京工業大学 (1990) 立命館大学 (1987-1988) |
研究代表者 |
田中 道七 立命館大学, 理工学部, 教授 (90066613)
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研究分担者 |
藤井 勉 東京衡機製造所, 技術開発課, 課長
岡部 永年 東芝, 重電技術研究所, 主査
中山 英明 大阪産業大学, 短期大学部, 教授 (90097999)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | セラミックス / 高温クリープ / 炭化ケイ素 / 窒化ケイ素 / 定常クリープ速度 / クリープ曲線 / クリープラプチャ強度 |
研究概要 |
本研究の目的は構造用ファインセラミックスの高温のクリープ強度を性格に評価し得る試験機を開発し、これを用いてセラミックスのクリープ試験を体系的に実施し、構造用ファインセラミックスの高温強度評価法についての指針を与えることにあり、昭和62、63年度の2年間にわたって研究を行った。 高温クリープ試験機の開発にあたっては、試験温度を1000〜1350℃とし、この温度を長期間にわたって安定して維持し得る加熱炉として、カンタルスーパー線を用いた電気炉を採用することにより、試験片の温度分布を含めて、温度変動の所定の±0.5%の範囲内に保つことができることを確認した。荷重負荷装置には通常のクリープ試験機と同様の方法を採用したが、試験片保持部は上記の試験温度に耐えるために、耐熱性の良好な炭化ケイ素を用いて製作し、さらに荷重の偏心を防ぐための工夫を行った。クリープひずみの検出には、炉壁を貫通する検出棒を炭化ケイ素製とし、精密てこ式によるひずみ測定装置を開発して良好な結果を得た。 クリープ試験は代表的な耐熱性構造用をセラミックスである炭化ケイ素と窒化ケイ素について最長30日を限度として実験を行った。その結果、炭化ケイ素については1350℃の温度においてもクリープひずみは検出されず、その高温強度は非常に高いことが確認された。一方、窒化ケイ素は1200℃、1250℃の温度で明らかにクリープひずみが現れ、そのクリープ曲線は金属の場合と同様三つの領域からなり、定常クリープ速度とクリープ破断寿命との間に一意的な関係があることが見出された。このことから構造用ファインセラミックスの高温クリープ強度の評価は金属の場合とほぼ同様に行い得ること、とりわけ定常クリープ速度が重要なパラメータであることがわかった。さらに、関連研究として、窒化ケイ素について常温における圧縮強度、曲げ疲労強度等についても一連の研究を行い成果を得た。
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