研究課題/領域番号 |
62850024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池野 順一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10184441)
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研究分担者 |
大堀 真敬 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90143528)
仙波 卓弥 福岡工業大学, 電子機械工学科, 助教授 (30154678)
谷 泰弘 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80143527)
佐藤 壽芳 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10013103)
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キーワード | 超精密ダイヤモンド正面旋盤 / 知能型機械要素 / リニアモータ / 真空チャック / プラスチック多孔質体 / レーザ光 / 真直度測定法 / 4分割フォトダイオード |
研究概要 |
昭和62年度においては、旋盤を構成しする各機械要素および計測・制御系の電気回路の設計を完了させ、制作、組立を行った。次に、リニアモータドライブによる工具台の運動精度とプラスチック多孔質体真空チャックの吸引保持性能について個々に性能試験を行った。 昭和63年度はこれらの結果を受けて、試作した精密旋盤で実際に切削実験を行った。さらに、4分割フォトダイオードを応用した、低コストで従来並の精度が得られるレーザ測長法の開発を行った。 これらの結果から以下の結論を得た。 (1)スピンドルやスライドの軸受として空気静圧軸受けを使用した旋盤では0.2μm程度の運動精度を得られたが、その運動精度は加工面に微小うねりとなって現れた。 (2)リニアモータの超精密旋盤への適用を検討した結果、摩擦の小さい状態では真直度の劣化のない好ましい結果を得たが、切削力の変動による速度変動が生じ制御系の剛性を高める必要が明らかになった。 (3)プラスチック多孔質体を使用した真空チャックの素材としては、切削性・真空吸引時の変形・摩擦係数の点から弗素樹脂が好ましいことが判明した。弗素樹脂の多孔質真空チャックを加工実験に使用した結果、加工物表面の半径真直度やアウター真直度はヤング率の高いハードチャックに近い好ましい結果を示した。 (4)レーザの真直性を利用した真直度測定法では、高精度で広範囲の2次元真直度測定が実現できたが、レーザ光源の不安定とレーザ光伝播経路の空気のゆらぎが原因となる出力のゆらぎが観察された。 以上のように、まだ個々には問題点を有しているが、本研究にて検討を行った機械要素の超精密旋盤への適用に関して可能性の大きい結果を得た。
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