研究課題/領域番号 |
62850032
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 六郎 東北大学, 高速力学研究所, 助手 (90006180)
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研究分担者 |
桧山 浩国 荏原総合研究所, 研究員
山本 和義 荏原総合研究所, 研究員
猪岡 光 東北大学, 工学部, 教授 (20006191)
谷 順二 東北大学, 高速力学研究所, 教授 (30006192)
橋本 弘之 東北大学, 高速力学研究所, 教授 (10006174)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 流体振動 / 非定常流 / 揚液効果 / 振動管 / 制御弁 / ポンプ / ポンプ性能 |
研究概要 |
本研究は、液体の共振 現象を積極的に液体輸送装置に応用することによって、有用な制御機能を有し、しかも、耐蝕性の強化と無漏洩化を可能にした揚液ポンプを開発するものである。すなわち、揚液は短管を管軸方向に振動させ、管内の液体の振動による管内圧力を管上端の弁で制御することによって行われる。このような液体振動を直接利用した揚液原理は従来の揚液方式とは異なるものであり、液体輸送装置として構造がきわめて簡単で、小型、安価に製造でき、しかも、耐蝕性材料の選定の容易さ、保守管理の容易さなど従来のポンプにない優れた特徴を持っている。したがって、強酸、強アルカリなどの高腐食性化学薬液の輸送、血液などの生態関連液の輸送、各種液体の微小液面制御機器への応用など幅広い分野で利用可能なポンプが試作された。さらに、本研究は液体のみが持つ特有の振動機能を直接工業技術へ応用したものであるから、この試作機をもとにして異なる性質を持つ種々の液体に適用することも可能であることを証明したい。 すなわち、本研究は二年間の結果をふまえて、揚液原理に基づいた本装置の特色とその実用化の見直しについて考察した。さらに、円筒短管上端部に直管とは別に固定したばね弁を設置し、種々の形状流路に対して短管を特定の振動数および振幅のもとに垂直方向に上下運動させ、管内の気体-液体系の圧力変動に伴う自吸性能を実験的に究明するとともに、自吸性能の向上に必要な吸込管路形状について理論的に予測した。また、環境運転状態におけるポンプ性能を実験的に詳細に明らかにして、総合的ポンプ性能の向上に必要な設計要素を明らかにした。これらの結果、この揚液効果を効果的に利用することによって流体輸送機械の実用化が可能であることを具体的に実証した。
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