研究課題
試験研究
高電圧・大電流スイッチ等が動作すると、近傍には継続時間は数μsと短時間だが、きわめて振幅の大きい100MHz以上の周波数を含む電界・磁界が発生することが代表者らの研究により明らかにされている。こうした高電磁界環境の一般的な特性の把握を通じて、このような環境下での計測・制御システムの試験法を実用化するのが本研究の目的である。高電磁界環境の特性の把握のために必須の電界センサについては、世界最高水準の1GHzまでの超広帯域電界センサを開発した。また屋外仕様で通年観測が可能な帯域15MHzの広帯域電界センサを試作した。前者は信号出力レベルを高くすることにより、また後者は広帯域光信号伝送系を使用することにより、それぞれ高電磁界環境下での耐性を高めている。以上のセンサによりSF_6ガス絶縁開閉装置近傍および落雷点近傍の電界の広帯域における計測を実施し、従来未知の新しい知見を得た。これらの成果により、高電磁界環境の標準化に関する見通しを得ることができた。ディジタル計測用機器の計測精度については、高電磁界環境下において重要な単発波形の計測における誤差評価に関する新しい手法を提案した。これを用いてディジタル計測システムの精度の評価を行った。以上の実験結果および調査結果にもとづいて、高電磁界環境下における計測・制御システムの耐性の評価法に関する検討を行い、既存の諸外国における試験法の長所を取り入れた試験法の提言を行った。またガス絶縁開閉装置近傍で発生する高電磁界に対して、計測・制御システムの耐性を高める方策を立案した。これについては既に実システムにおいて実施されている。また高電磁界環境下において使用可能な帯域200MHzのディジタル計測システムを試作し、満足に動作することを確認した。今後、わが国におけるこの方面の規格制定をはかる予定である。
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