研究課題/領域番号 |
62850049
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
今井 正明 北海道大学, 工学部, 助教授 (80002103)
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研究分担者 |
黒羽 敏明 古河電気工業, 千葉研究所, 技師長
小田島 晟 北海道工業大学, 電気工学部, 教授 (20001117)
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キーワード | 光ファイバ / 圧電性高分子 / 位相変調器 / 光波センシング |
研究概要 |
フッ化ビニリデン13フッ化エチレン共重合体P(VDF_<73>/TrFE_<27>)を溶融押出し法により光ファイバ(コア径4μm,クラッド径80μm)に厚さ75〜85μmに被覆し、コロナ放電ポーリングにより半径方向に分極処理して圧電性を持たせた。この光ファイバに蒸着した同心円筒電極に電圧を印加して光干渉実験を行なうことにより光ファイバに誘起する位相変化を求めることができる。 1.ポーリング長15cmで被覆層厚さ77μmのファイバサンプルでは直流電圧印加位相シフトとして、4.03×10^<-5>rad/(V/m)/mが得られた。これは従来得られている値に比べて約2倍大きく、理論予測値にほぼ近い値である。 2.交流電圧印加による位相変調感度を精度良く調べるために、温度変化・振動等による環境外乱誘起ドリフトを補償するためのドリフト補償回路を試作し、それを光ファイバ干渉計に組込んで基本動作を確認した。それを用いて交流電圧を印加したときの位相変調特性を高精度で測定できる見通しを得た。 3.1MHz以上の高周波領域ではファイバー被覆層複合体としての半径方向の弾性共振が存在することが明らかになった。測定した位相変調感度の高周波特性を説明するために、石英ガラスと圧電性共重合体被覆層から成る2層構造モデルについて理論的検討を行なった。 4.2MHzから50MHzの周波数範囲で多数の半径方向(横方向)共振ピークが存在することを理論と実験により確かめた。この内で基本(1次)共振と2次共振はそれぞれ5.6MHzと18.0MHzと計算されたが、これらの共振ピークは測定により求めた7MHzと18MHzに対応することを確認した。
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