研究課題/領域番号 |
62850050
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴田 直 東北大学, 工学部, 助教授 (00187402)
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研究分担者 |
森田 瑞穂 東北大学, 工学部, 助手 (50157905)
大見 忠弘 東北大学, 工学部, 教授 (20016463)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | バイアススパッタ / 低エネルギイオン照射 / Al薄膜 / ヒロックフリー / 低温エピタキシャル成長 / エピタキシャルシリコン / スパッタ成膜 |
研究概要 |
プロセスに関与する重要なパラメタを、外部よりそれぞれ独立に、且つ精密にコントロールできるRF-DC結合バイアススパッタ装置を開発した。この装置を用い、低温で高品質な薄膜形成を実現する低運動エネルギー粒子照射プロセスを確立した。これは、スパッタリングにより成膜する薄膜の表面を、成膜と同時に低エネルギイオン照射により活性化することにより薄膜の結晶成長、物性等を様々に制御することのできる技術である。これにより、高品質Al薄膜の形成や、300°C以下での低温エピタキシャル成長の実現など、従来に類をみない新しい研究成果が得られた。 Al薄膜に関しては、非常に表面平坦性が高く、かつ完全に(111)配向した膜が形成された。成膜直前の基板表面のクリーニング、成膜中のイオン照射条件等を最適化することにより、500°Cまで全くヒロックフリーのAl薄膜形成に成功した。従来技術で形成したAlが150〜200°C程度の低温熱工程でヒロックを発生するのに較べると、これは驚くべき進歩である。また、コンタクトホール等の穴埋めも良好に行えることが判明した。さらに、イオン照射によるMOSFETへのダメージも全く問題ないことが確かめられた。一方シリコンのエピタキシャル成長に関しては、300°Cの低温で全く結晶欠陥のない単結晶シリコン膜の成長に成功した。このプロセスでは、エピ成長と同時に同じ低温での不純物のドーピングと電気的活性化が可能である。P型Si基板上に300°Cでn型Siをエピ成長させ形成したPn接合ダイオードは、もともとのウェハ表面を接合面として用いたデバイスであるにもかかわらず、逆方向電流が10^<-9>A/cm^2という極めて優れた特性を示している。これらの成果により、新しいULSIデバイス製造に最も基本的な、低温での高品質薄膜形成技術を確立したのである。
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