研究課題/領域番号 |
62850057
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡本 博明 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90144443)
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研究分担者 |
服部 有 日本電装, 日本自動車部品総合研究所, 研究員
浜川 圭弘 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10029407)
HATTORI Yutaka Central Research Labs., Nippon Denso
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | アモルファスSiC / 薄膜LED / フラットパネル型ディスプレイ素子 |
研究概要 |
a-SiCLEDは透明電極層付きガラス基板上にシラン(Si.H_4)、(メタンClt_4)などの炭素源ガスと不純物ガス(B_2,PH_3)の混合ガスをグロー放電分解によって、p-i-n各層を順次成長し、裏面電極としてAlを真空蒸着法によって付けることによって製作される。本研究では、注入層の構造、材料面での改善および発光層の作製条件最適化を通して、高輝度a-SiCLED実現への試みを行なった。具体的な手法と成果は以下のようである。 1.トンネル注入層を用いた注入効率の改善。 p/iおよびi/n界面に、禁止帯幅の大きなトンネル障壁層をはさみ込む形のトンネル注入層の最 適化を行なった。最適化によって、発光スペクトルの短波長化と発光強度の増大が得 られた。 2.微結晶SiC注入層を用いた注入効率の改善。 ECR-CVD法を導入して、広禁止帯幅で低抵抗な微結晶n,p型SiC膜を形成することに成功した。この材料を、キャリア注入層に用いることによって、発光スペクトルおよび発光強度の大幅な改善が得られた。 3.発光層a-SiCの改善。 成長時の基板温度や投入高周波電力を広い範囲で変化させることによって、発光層の発光特性の改善を行なった。これにより、従来可視発光の不可能であった禁止帯幅2.3ev付近の材料においても、黄橙色の発光を得ることができるようになった。 以上の成果を総合することによって、黄色発光LEDにおいて、駆動電圧5〜10Vで、発光輝度20cd/m^2を達成することができた。また、研究のまとめとして、2×2cm程度のa-Si薄膜LEDパターンを試作し、良好な結果を得ている。
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