研究課題/領域番号 |
62850064
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川上 彰二郎 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (10006223)
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研究分担者 |
西浦 洋三 住友電気工業, 研究開発本部, 研究員
西川 満 住友電気工業, 研究開発本部, 研究員
馬場 一隆 東北大学, 電気通信研究所, 日本学術振興会特別研 (10192709)
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キーワード | 光アイソレータ / LAMIPOL / 光学的アドミッタンス軌跡 / 光ファイバ埋込型アイソレータ |
研究概要 |
本年度は主に以下の2点について重点的に研究をすすめた。 1)高性能なLAMIPOLの作製。 2)アイソレータの試作:評価。 先ず、LAMIPOLに関しては、バルクに近い金属薄膜が得られる成膜方法について実験的に検討した。また、それとともに光学的性質の評価を容易にするために金属の光学的アドミッタンス軌跡の概念を導入した。その結果、バルクに近い光学的性質の薄膜を得るためには、1)スパッタリング法のように高エネルギーな成膜技術を用い、2)成膜室内の真空度を上げ(2×10^<-7>Torr)、3)スパッタリング中のArガスの排気量を大きくとり、4)大きな成膜速度を用いることにより、成膜室内の残留酸素の影響を小さくすることが必要であることがわかった。次にこれらの基礎研究の成果をもとにLAMIPOLの作製実験をおこなった。その結果、波長1.3μmで消光比47dB、挿入損失0.13dBの偏光子が実現された。すなわち、本研究により以前の真空蒸着法を用いて得られていた特性に比べて、消光比/挿入損失の値にして約3倍性能が改善されたことになる。 次にアイソレータの試作実験をおこなった。本研究で目標としている光アイソレータは構成素子が従来のものに比べ非常に小型化されているため、光導波路内に溝切挿入してもそれほど大きな回折損失を受けない。この特長を生かした光アイソレータの一例として、光ファイバ埋込型アイソレータを開発した。これは2本の偏波面保存ファイバ間にLAMIPOLとが一ネットを組合せた光アイソレータをはさみこんだもので、波長1.3μmでアイソレーションは41dBと良好な特性が得られた。
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