研究課題/領域番号 |
62850081
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
阿部 英彦 宇都宮大学, 工学部, 教授 (40167945)
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研究分担者 |
佐藤 政勝 川崎製鉄(株), 研究開発センター, 主任研究員
池田 尚治 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60087228)
氏家 勲 宇都宮大学, 工学部, 助手 (90143669)
中島 章典 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70164176)
佐藤 良一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (20016702)
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キーワード | 合成構造 / 橋梁 / 構造解析 / 実験 / ずれ止め |
研究概要 |
本研究課題の最終年度として、合成曲弦トラスおよび合成逆ア-チ橋の模型試験体による静的載荷実験および有限要素法と剛体ばねモデルを組み合せた解析を行った。コンクリ-ト床版幅を60cmおよび30cm、ずれ止めの配置は分散型とし、剛上弦材両支点部に剛度の高いずれ止めを配置した逆ア-チ試験体2体、床版幅は60cmとし、ずれ止めの配置を集中型と分散型とした曲弦トラス試験体2体、合計4体の試験体を製作した。荷重はスパン中央部および1/4点に加えて、局部載荷の影響を調べるために、スパン3/8点にも荷重を載荷した。曲弦トラス試験体は3/8点で、逆ア-チ試験体は1/4点でそれぞれ試験体を破壊させた。 本年度の実験および解析の結果以下のようなことが明らかにされた。 1.逆ア-チ橋の両支点部に剛度の高いずれ止めを配置することによって、ずれ止めがコンクリ-ト床版を引き裂くようなスプリット破壊を防ぎ、合成構造の利点を生かすことができる。 2.コンクリ-ト床版の幅を60cmから30cmとして両者を比較しても、有効幅の影響は顕著に現れなかった。 3.逆ア-チ橋と、斜材が付加された曲弦トラス橋では、ずれ止めが伝達するせん断力の分布およびコンクリ-ト床版の応力分布形状は大きく異なる。 4.逆ア-チ橋に比較して曲弦トラス橋の方が、合成構造の橋梁形式としては合理的であると考えられるが、曲弦トラス橋でも、両支点部には剛度の高いずれ止めを配置し、局部載荷のことを考慮して、他のずれ止めは分散配置した方がよい。 5.本研究で用いた簡略な解析方法は、鋼骨組面内荷重を受ける合成トラス橋および合成逆ア-チ橋のずれ止めの伝達せん断力の分布、コンクリ-ト床版内の応力分布形状などの基本的な力学特性を解明するために有効である。
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