研究課題/領域番号 |
62850089
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
能町 純雄 日本大学, 生産工学部, 教授 (30002801)
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研究分担者 |
大島 俊之 北見工業大学, 工学部, 助教授 (00003210)
大沼 博志 電力中央研究所, 土木研究所, 室長
木田 哲量 日本大学, 生産工学部, 助教授 (90059816)
角田 与史雄 北海道大学, 工学部, 教授 (60001210)
松岡 健一 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10003170)
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キーワード | 鉄筋コンクリートスラブ / 衝撃荷重 / 耐衝撃性 / 応力波伝播 |
研究概要 |
今日の人間生活ならびに社会活動を維持するための基盤整備技術には従来にない高圧力や高速回転や走向体の使用が日常的になっている。それに伴い、これらを取り巻く施設構造物に及ぶ危険度密度が上昇すると同時に危険の型も変るものと孝えられるが、このような現象に関する安全性評価の研究は十分に行なわれているとはいえない。 本研究はこれらのカテゴリーに属するもので、たとえばボイラーの爆発などによる鋼鉄片のコンクリートパネルへの衝突、誤操作による重量剛体の鉄筋コンクリート床版への落下などに対する鉄筋コンクリート構造物の設計法を確立する処にある。本研究においては版厚が10cm〜50cmまでのスラブに対する円柱鋼による衝突衝撃実験を行ない、理論的な弾性波動論の問題や実設計において必要な耐力限界の指標として裏面剥離を生じない限界版厚、剛飛来物が版を貫通する限界版厚を定義し定式化することを主な目的としている。弾性衝撃応答問題に関しては、まず鉄筋コンクリートの鉄筋周辺部を鉄筋とコンクリートとの二層同心円柱あるいはさらに付着部を考慮した三層同心円柱にモデル化して位相速度や群速度分散曲線を求め、鉄筋コンクリートの波動伝播特性への付着境界面の影響について明らかにすることができた。また、角柱およびリング状要素を用いた衝撃応答解析により、衝撃初期には両者とも実験結果とほぼ同様の応答性状を示し、また特に載荷点近傍の応答性状を把握する為には支持境界にかかわらずリング状要素を用いることが可能であることを明らかにすることができた。実験結果を基にした耐荷力評価に関しては、正規ランダム変数をパラメータとして含むベクテル実験式に習い、本実験結果をベイズ理論によるポステリオル結合分布としてそれに付加してパラメータを改良し、衝突衝撃荷重載荷時における鉄筋コンクリート床版の裏面剥離限界厚さと貫通限界厚さを得ることができた。
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