研究課題/領域番号 |
62850095
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
池田 駿介 埼玉大学, 工学部, 教授 (60016590)
|
研究分担者 |
山坂 昌成 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (20174641)
福岡 捷二 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30016472)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
キーワード | 河川弯曲部 / 局所洗掘 / 二次流 / 流れの制御 / 側岸セン断力 / ベ-ン工 / 現地試験 |
研究概要 |
河川弯曲部において見られる最も特徴的な現象は二次流の発生とそれに伴う外岸川の洗掘ならびに側岸浸食である。このように弯曲部において発生する洗掘・浸食は二次流と密接な関係があるために、二次流の解明とその制御が最も重要な課題となる。 本研究では先ず、弯曲部の三次元流れの実験的研究が行われ、二次流強度が流入角90°近傍で極大値を有し、その後一定値となって行くこと、更に二次流による横断方向への運動量の輸送により、主流流速の最大値が外岸側へ次第に移って行くことが明らかにされた。一方、これらの実験結果を説明する為に側岸近傍の境界層を考慮し、二次流と主流の非線型相互作用を取り入れた理論解析が行われ、上記実験結果をうまく説明することが出来た。更に、これに付随して側岸浸食に重要な役割を果している側岸セン断力を求めることができ、川幅/曲率半径及び水深/川幅の関数として与えられた。 一方、工学的にはこの流れを制御することが必要であるが、ベ-ン工は2次流を相殺し、さらに2次流運動量輸送を減少させることにより、夫々局所洗掘、側岸浸食を大幅に減少させることができる。本研究では理論により、ベ-ン工の大きさ、配列について最適な構造を決定し、これを大型実験水路の移動床実験により確かめた。又、熊本県の黒川においてベ-ン工を試験施工し、河床変形の観測を実施した。その結果、外岸側の局所洗掘および内岸側の堆積が除去され、河床は横断方向に平坦となり、流況が著しく改善された。 以上の研究により、河川弯曲部の流れの構造が解明されるとともに、これを基としてベ-ンエの設計法が提案され、現地実験により良好な結果が得られた。
|