研究課題/領域番号 |
62850111
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松木 浩二 東北大学, 工学部, 助教授 (10108475)
|
研究分担者 |
奥村 清彦 東北大学, 工学部, 文部技官 (40177184)
小島 隆 東北大学, 工学部, 助手 (20192057)
杉本 文男 東北大学, 工学部, 助手 (80124585)
|
キーワード | 岩石 / 水圧破砕 / 予き裂作製法 / ウォータージェット / 高水圧 / 溝切削 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に作製した耐圧20MPa(水深2000m相当)の大型圧力容器および圧力制御ユニットを用い、高圧水環境における岩石の切削性に及ぼす各切削パラメータの影響を明らかにするとともに、予き裂作製法への適用性について検討を行った。用いた試料は白河溶結凝灰岩であり、切削性を表わす指標としては、切削深さ、切削溝幅および掘削体積比エネルギーを用い、切削に関するパラメータとしては関与するすべてのもの、即ちノズル経、吐出圧力、スタンドオフディスタンスおよびノズル送り速度について検討した。その結果得られた主な知見は次の通りである。1)切削深さはいずれの条件下においても環境水圧とともにはじめ急激に減少し、その後環境水圧によらずほぼ一定となった。これは本研究で初めて明らかにされた工学的に重要な知見である。なお白河溶結凝灰岩に対しては水深2000mで最大32.2mmの切削深さが得られた。2)キャビテーション係数σを用いて実験結果を整理することにより、α<0.05の領域ではキャビテーション壊食が主たる切削機構であるのに対し、α≧0.05の領域ではその他の切削機構によると考えられた。3)切削深さが環境水圧に依存する領域と依存しない両方の領域について、切削深さに関する実験式を提案した。環境水圧に依存する領域については従来の浅い水中における式に環境水圧の項を独立に付加した形であり、環境水圧に依存しない領域については従来の式と一致した。4)掘削体積比エネルギーは、環境水圧およびスタンドオフディスタンスに関し最適値が見出された。5)切削溝幅は、いずれの条件でもある環境水圧まで急激に増加し、その後ほぼ一定となった。6)ウォータージェットで作製される溝先端の形状はほぼ半円をなすことや高圧水中でもある程度の切削深さが得られることから、ウォータージェット技術の水圧破砕への応用は十分可能であると考えられた。
|