研究課題/領域番号 |
62850112
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
臼井 進之助 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (90006023)
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研究分担者 |
村松 淳司 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (40210059)
助川 優子 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (70196781)
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キーワード | O / Wエマルション / ヘマタイト / 分散 / オレイン酸ナトリウム / Aerosol OT |
研究概要 |
前年度に引続きαーヘマタイト(メディアン径=0.47μm、BET比表面積=5.3m^2/g)について、複合エマルション作製のキイポイントとなるn-デカンサスペンションの分散安定化について検討を行った結果、油溶性界面活性剤Aerosol OT5×10^<-2>-1×10^<-1>において、良好な分散状態の得られることがわかった。1×10^<-1>M以上の添加においてヘマタイト粒子が凝集を起すが、恐らくイオン強度の増加によるものと思われる。Aerosol OTによる分散は、ヘマタイトを水中でオレイン酸ナトリウム(NaOl)で疏水化処理、乾燥の後デカン中に分散した物よりはるかに安定であった。Aerorol OTで分散したデカンサスペンションを用い、SDSを乳化剤としてヘマタイト含有O/Wエマルションを作製してヘマタイトの複合安定化を調べた。通常サイズのO/WエマルションはNaOL法の場合と同様安定化したが長時間(7日間)放置後の安定性は、NaOL法による場合に比較して劣る結果を示した。この理由はNaOlがヘマタイトに化学吸着して安定な疏水皮膜を作っているのに対し、Aerosol OTは物理吸着によってデカン中に分散されており、疏水皮膜が不安定のためではないかと考えている。しかしデカン中の安定度が優れているAerosol OT法が、粒子複合O/Wエマルションの安定性でNaOL法より劣っている理由は今後の検討課題として残される。 SDSを乳化剤としたエマルションにブタノールを添加してマイクロエマルションにするとヘマタイトが析出分離する挙動はNaOl法、Aerosol OT法共に同様であった。この理由を検討するため、湿式法で作製した、より粒径の小さなマグネタイト(粒径〓100〓)を用いて同様の検討を行ったが、エマルションがマイクロエマルション化するとやはり器底に分離沈降し複合化はできなかった。この理由は現在のところ明らかでなく今後の検討課題として残される。
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