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1988 年度 実績報告書

熱水条件における珪酸塩ガラスの安定性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62850113
研究機関東京大学

研究代表者

武内 寿久祢  東京大学, 工学部, 教授 (30010739)

研究分担者 金田 博彰  東京大学, 工学部, 助手 (90010892)
正路 徹也  東京大学, 工学部, 助教授 (40011093)
キーワードガラスの脱ハリ / 硼珪酸塩ガラス / ガラス固化体
研究概要

高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるガラス固化体の安全性評価の基礎資料として珪酸塩ガラス、特に硼珪酸塩ガラスの熱水条件下におけるガラスの結晶化速度およびガラスの結晶化に伴う生成物の性質の検討を応用鉱物学的観点から行った。熱水条件下におけるガラスの安定性の検討にはSiO_2ーB_2O_3ーAl_2O_3ーNa_2O系硼珪酸塩ガラスに、放射性核種の代表としてSr、Csを適宜加え、さらにアルカリ金属、アルカリ土金属、金属を加えて假想ガラス固化体を作って使用した。将来行われる実際の地層処分に際しては、放射性廃棄物を入れたキャニスターは厳密に密封され、耐腐蝕性材料で覆われるので、地下水の混入は殆んど考えられないし、温度も本研究の実験条件程には高くならないと考えられるが、本実験では、生成物の固定および実験実施の面から熱水条件は200℃、水蒸気圧下ともっとも苛酷な条件とした。生成物はX線回析、顕微鏡観察により、結晶化の始まる時間、生成物の種類、Sr・Csの挙動について検討した。結晶化生成物にはナトリウム沸石であるアナルサイトが普遍的に認められたが、Naを交代して若干量のCs、Srがとりこまれていると推定される。このほか、硼珪酸ナトリウム、各種の硼酸塩の微小結晶が鏡下で認められている。総合的にみて、ガラスの結晶化には、初期にガラス表面に微小結晶が晶出し、やがて時間の経過と共にガラス内部に結晶が成長してゆく交代型と、初期にガラス表面に微小結晶が晶出するが、その後ガラス内部にガラスの溶脱と結晶の晶出が併行して生ずる溶脱型とが考えられる。CsはNaを交代してアナルサイト相に入り、ポルサイトを形成している。一方Srはアナルサイトには多く入らず、硼酸ストロンチウムを形成すると判断された。添加物としては、Na_2Oはガラスの結晶化を早め、ガラスの安定性に悪影響を及ぼすこと、Fe_2O_3は逆にガラスの安定性に若干貢献することが推定された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 武内寿久祢: 日本地熱学会誌. 10. 321-338 (1988)

  • [文献書誌] Sukune Takenouchi: Proc.7th IAGOD Symp.(Lulea). (1988)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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