研究課題/領域番号 |
62850127
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
金子 純一 日本大学, 生産工学部, 教授 (00120410)
|
研究分担者 |
青木 忠昭 東洋アルミニウム, 開発部, 主任
竹島 正博 日本大学, 生産工学部, 助手 (00154998)
菅又 信 日本大学, 生産工学部, 助教授 (90059600)
|
キーワード | 鋳造組織 / 結晶粒微細化 / AlーTi合金 / AlーTiーB合金 / 粉末冶金材料 / 分散強化材 / メカニカルアロイング |
研究概要 |
メカニカルアロイング法により作製した粉末は、同一組成でも、その原料粉末の組合せを変えることにより異なった構成相から成るものが得られる。メカニカルアロイング処理中の温度上昇は300K程度と見積られるためで、AlーTiーB系などにおいてはほゞ原料粉末の構成相がそのまゝ残存しながら、微細に混合された組織になってゆく。これを応用して、Alー5%Tiー1%B組成の合金を構成相を変化させて作製した。すなわち、Tiの存在状態としては、金属Ti、TiAl_2、TiB_2の3種類、Bは、金属B、TiB_2、AlB_2の3種類とし、構成相の組合せを変えてP/M材を作製した。得られたP/M材について、純Alの鋳塊に対する結晶微細化効果を評価し、微細化の機構を検討するとともに、市販の母合金微細化剤よりも性能のすぐれたものを創製することを目的とした。 まず、TiB_2を含むP/M材では微細化性能に劣ることが示された。TiB_2のみを含むAlーTiB_2合金では微細化効果は低く、これにTiAl_3を同時に添加することにより効果は改善された。したがって、TiB_2は異質核として作用しないものと考えられた。TiB_2を構成相としない場合について微細化性能を検討した結果、AlーTiAl_3ーAlB_2の合金P/M材が低温短時間の保持後に鋳造する場合に限り、市販微細化剤よりもすぐれた効果を発揮した。また、Alー金属Tiー金属Bの組合せのP/M材では市販剤と同程度の効果が得られた。しかし、高温長時間保持の場合の効果は市販母合金がすぐれていることがわかった。 なお、TiAl_3相はメカニカルアロイング処理中に非晶質化したが、熱間押出等の加熱により結晶化した。化合物TiAlについても同様な結果が得られた。TiB_2やTiCなどのTi化合物粒子を分散させたAl合金P/M材の常温および高温における変形挙動について検討し、高温特性にすぐれた材料であることを明らかにした。
|