研究課題/領域番号 |
62850136
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒木 孝雄 大阪大学, 工学部, 助教授 (70029312)
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研究分担者 |
広瀬 明夫 大阪大学, 工学部, 助手 (70144433)
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キーワード | 複合合金粉末 / 遷移金属炭化物粉体 / 強化粉体 / プラズマ粉体肉盛溶接複合合金層 / 未溶融粒子 / 耐食性 / 耐摩耗性 / 耐高温酸化性 |
研究概要 |
本研究は既存の材料に新たな性能を具備した材料を創製することを目的として実施した。具備すべき特性に応して、基材および複合合金粉末を変化させ、複合合金層の成分を種々変化させた。 前年度においては(1)耐酸性、耐食性は低温溶融加工法により軟鋼にAl、ZnおよびAlーZnーSi粉末を用いて確保し、プラズマ粉体肉盛溶接法による高温溶融加工法では軟鋼およびステンレス鋼にCr粉体を用いて確保した。さらに、(2)耐摩耗性はプラズマ法により、一般金属粉末と遷移金属炭化物粉末および非金属化合物粉末を用いて確保し得ることを明らかとした。 本年度は(2)の複合合金層の機械的性質に関する実験を実施し、未溶融粒子ーマトリックス間の接着強度、剥離強度の測定およびその破壊挙動の解析を行った。(2)の複合合金層について、TiーCなどでは混合基本合金粉末との組合せにより割れを伴うことがあり、三点曲げ試験による曲げ強度はその組合せでは他に比して若干低めであった。しかしながら、これらの割れ破面は炭化物粉末の溶解に伴う共晶炭化物もしくは未溶融粒子内であり、未溶融粒子ーマトリックス間の接着強度は高く、しかもそれらの間の剥離は認められなかった。 さらに、本年度は(3)ステンレス鋼およびNi基超耐熱合金(インコネル)にNiCrAlY粉末を用いて耐熱性および耐高温酸化性を確保すべく、プラズマ粉体肉盛溶接法、レーザ法およびプラズマ溶射法により複合合金層を作成した。複合合金層はβ相、γ相、γ′相で構成していることを詳細なTEM観察により明らかとし、基材がステンレス鋼でのプラズマ粉体肉盛溶接法では希釈率30%以下でAl量の多いことによるβ相が生じ、硬くて割れを伴い、30%以上では割れを防止し得た。レーザ法では複合合金層は割れを伴わない。プラズマ溶射法では多孔質であった。
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