研究課題/領域番号 |
62850141
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
今川 宏 東洋大学, 工学部, 教授 (80184810)
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研究分担者 |
横川 清 信越化学工業, 精密機能材料研究所, 次長
荒井 和雄 電子技術総合研究所, 材料科学部, 室長
川副 博司 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80087288)
細野 秀雄 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (30157028)
阿部 良弘 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90024223)
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キーワード | 石英ガラス / エキシマレーザ / 紫外光 / 真空紫外 / 着色中心 / 二光子吸収 |
研究概要 |
1.設備備品 本年度は「改良型試料室」を購入して咋年度導入した真空紫外分光光度計に接続した。エキシマレーザ光を用いるリソグラフィのレンズ等に石英ガラスを使用するような場合、0.01cm^<-1>あるいはそれ以下という微弱な吸収係数を測定・評価する必要がある。本試料室は150mmの長尺試料を測定できること、また波長をステップスキャン方式とし、各波長で試料を測定光に垂直に移動して透過光/入射光を測定する機構を取入れたので微弱吸収の測定精度は数倍向上した。 2.石英ガラス中のOH基による真空紫外域の吸収増加 咋年度は無水石英ガラス中の酸素不足型欠陥による7.6eV吸収帯と酸素過剰型欠陥による7〜8.2eVの裾の性質を明らかにした。本年度は測定範囲を拡張し、石英ガラスの本質的な吸収端であるアーバックの裾とOH基含有ガラスの7〜8eV域の吸収を測定し、OH基の濃度に比例する指数関数的な裾が加わることを初めて定量的に明らかにした。 3.エキシマレーザ光照射により生ずる着色中心とその抑制 石英ガラスをArFまたはKrFレーザ光で照射すると種々の着色中心が生成するが、217nm吸収帯(E中心)と260nm吸収帯は上記レーザ光に対する透過率を下げるので特に有害である。水素、アルゴン、窒素等の雰囲気中で熱処理し両着色中心生成への影響を調べた。酸素不足型無水石英ガラスは水素処理でE中心が1桁も増加するが、OH含有ガラスの場合は水素で上記2吸収帯の生成は数分の一に低下することを見出した。本研究の結果、大パワー紫外線光学系に用いる石英ガラスの着色の問題とその抑制に関して有用な基礎的知見が得られた。
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