研究課題/領域番号 |
62850156
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
藤本 輝雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30023112)
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研究分担者 |
大畑 正敏 日本ペイント, 技術センター, 研究員
池田 承治 日本ペイント, 技術センター, 部長
岩田 実 長岡工業高等専門学校, 助教授 (80042753)
瀬 和則 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00154633)
五十野 善信 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30135321)
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キーワード | 塗料用基体樹脂 / 多官能高分子開始剤 / グラフト共重合体 / 1ーフェニルー1ー(4ービニルフェニル)エチレン / メチルメタクリレート / ポリアミノスチレン / 多量合成 / 塗膜物性 |
研究概要 |
1ーフェニルー1ー(4ービニルフェニル)エチレン(PVPE)とPーメチルスチレン(PMS)の共重合体を合成して、PVPEの末反応のビニル基をリチウム化した。そこからメチルメタクリレート(MMA)をグラフト鎖として生長させてグラフト共重合体を合成するという62年度の研究計画は昨年度で達成できた。そこで本年度は下記の研究項目を遂行して良好な研究結果を得た。63年度の研究実施計画もほぼ達成できた。 1.MMAのグラフト共重合反応を停止させる際、二酸化炭素を停止剤に使用してグラフト鎖の末端官能基をカルボン酸に変えた試料を合成した。エステル化により架橋可能な塗料用新樹脂の合成に成功した。 2.グラフト共重合体を一貫工程で連続的に合成できるように、重合開始剤やモノマー、停止剤の導入方法をベンチスケールで検討した。 3.2で得た結果を基に、本学の特殊実験棟に設置されている大型重合装置(蒸留槽100l、重合槽50l)を用いて、多量合成システムの開発研究を行なった。その結果分子量分布が狭い、任意の分子量の目的物を数Kg同時に合成できるシステムを確立した。 4.顔料への分散性を向上させる目的でグラフト鎖中への塩基性官能基の導入を試みた。まず3種類のアミノスチレンのアニオン重合性を検討して、任意の分子量を持ち分子量分布が狭い重合体を得る方法を確立した。次に、ポリアミノスチリルアニオンを1,1ージフェニルエチレンに付加した後MMAを加えることによりMMAと塩基性基のブロック共重合体を合成した。グラフト鎖中に塩基性基を含有するための基礎的知見を得た。 5.多量合成して得た試料を用いて、ハイソリッド型および粉体塗料の試作や塗装工程の削減化を検討した。イソシアネート化合物で架橋した塗膜の光沢は良好であった。塗膜の耐衡撃性を向上させるには、nーブチルアクリレートの使用が最善であることが今回の結果より判明した。
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