研究課題/領域番号 |
62860005
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
高橋 壮 岩手大学, 農学部, 教授 (60003753)
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研究分担者 |
石原 愛也 岩手大学, 農学部, 教授 (20011827)
吉川 信幸 岩手大学, 農学部, 助教授 (40191556)
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キーワード | リンゴウィルス / 相補DNA / クロ-ニング / ウィルス診断 |
研究概要 |
本研究は昭和62、63年度の研究成果をふまえ、リンゴ高接病の病原ウィルスであるクロロティックリ-フスポットウィルス(ACLSV)とステムグル-ビングウィルス(ASGV)の相補DNA診断法の有用性について確認すると共に、リンゴモザイク病の病原ウィルスの分離・精製について検討を加えたものである。次の成果を得た。 1.ビオチン標識した相補DNAをプロ-ブとして用いて罹病リンゴ樹からのACLSVの検出を試みたが、健全試料に非特異的反応が現れ、ACLSVを特異的に検出することはできなかった。ビオチン標識プロ-ブは^<32>P標識に比べて安全性等で優れているが、リンゴ樹のウィルス診断に使用することはできない。 2.罹病リンゴ樹および茎頂培養で増殖させたリンゴ苗から、5月、8月、11月に採取した葉、樹皮、花弁、あるいは果皮を供試して試料を調整し、^<32>P標識相補DNAプロ-ブを用いてACLSVとASGVの検出を行った。その結果、5月に罹病樹から採取した葉と花弁において、両ウィルスが検出された。一方、8月と11月の試料についてはウィルス濃度が低く検出は困難であった。 以上の結果から、5月の若い葉あるいは花弁を検定材料とすれば、相補DNAプロ-ブ法は実用的な診断に利用できると考えられる。この方法の所要日数は3〜4日であった。 リンゴモザイク病の病原ウィルスを分離・精製するために、罹病樹から花弁を採取し、検定植物であるキュウリに接種して増殖させた。感染キュウリ葉を凍結保存(-70℃)して病原ウィルスを精製しようとしたが、ウィルス感染性が凍結処理により失活し、以後の実験を断念せざるを得なかった。今後継続して研究を進めたい。
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