研究課題/領域番号 |
62860007
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
大西 敏夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (20027874)
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研究分担者 |
岩田 益 九州農業試験場, 作物開発部, 室長
柳沢 幸男 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70021160)
押金 健吾 信州大学, 繊維学部, 助教授 (40021159)
久野 勝治 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70092484)
本間 慎 東京農工大学, 農学部, 教授 (70014941)
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キーワード | 桑バイオテクノロジ- / カルスの冷蔵 / 休眠類似現象 / パラコ-ト耐性 / NO_2イオン / PFP処理 / 老化とサイトカイニン / 茎頂培養 |
研究概要 |
それぞれの分担分野では主題の研究目的に対して意義深い実験を進めた結果、以下のような概ね所期の成果をあげることができた。 大西は冷蔵3週間経過頃からカルスに休眠類似現象が認められはじめ、8週間で最も顕著となり、18週間に至ると覚醒することがわかった。そして、冷蔵期間中のカルス酵素バンドの消長は上記休眠類似現象の発現・覚醒と関係あること、また、カルス蛋白質の構成分子の大小とカルスの増殖率とは関連のあることを認めた。本間はパラコ-ト感受性および抵抗性ハルジオンの葉身とそれらの葉身を組織培養し、得られたカルスの両方を用いてプロトプラストを単離し、パラコ-トに対する抵抗性の比較を行ったところ、葉身、カルスともに感受性個体は低濃度で枯死するのに抵抗性個体は2.1×10^<-5>Mでも健全であるとの結果を得た。久野はカルスの発育はNo_2イオン10ppmを加えると抑制され、また、クマリンを添加する増殖は著しく、そして、ブラシノライドの前処理の後チアミンを添加するとカルスの増殖は更に著しいことを認めた。押金は桑種子を所定濃度のPFP加用M.S.培地で10〜30日間培養した結果、2n=14〜27および2n=30〜56の減・増異数性細胞のほか染色体橋、遅滞染色体などの異常細胞分裂像が正常細胞に混在することを認めた。また、これら芽生の茎頂培養による再生個体においても上記の染色体変異を確認した。柳沢は桑葉の老化とサイトカイニン含量との関係を葉位、最大光葉、貯蔵葉について調べ、桑葉のゼアチンはその老化と共に増加し、ゼアチンリボシドは反対に減少、イソペンテニルアデニンはゼアチンと同傾向を示すことを指摘した。岩田は桑の幼若苗の馴化に用いる容器はジフィ-ポットが直接定植できるため、根傷みがなく、生育は良好であること、また、馴化の培養培地は、ジフィ-ポットを用いると粘結度の低いバ-ミキュライトでも直接鉢に定植でき、順調に生長するという結果を得た。
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