研究課題/領域番号 |
62860017
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
角張 嘉孝 静岡大学, 農学部, 助教授 (60126026)
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研究分担者 |
守谷 孝志 小糸工業株式会社, 機電事業部・環境調節技術部, 第三係長
半田 繁 小糸工業株式会社, 機電事業部・環境調節技術部, 課長補佐
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キーワード | 蒸散量 / 光合成 / ブナ / クヌギ / シミュレ-ションモデル / 測定システム |
研究概要 |
本年度は最終年度に当たるので、試作機及び外気温追従チェンバ-を実際のフィ-ルドで使用し実用化試験を行った。 静岡県富士宮市富士山国有林169林班(海抜1100m)のブナ学術参考林内に30m×30mの大きさの試験地があり、胸高直径4.5cm以上の全立木の毎木調査が行なわれている。 いろいろな高さのブナの光合成速度や蒸散速度を測定するため、試験地内に梢端に達する観測鉄塔(2W×2L×20Hm)が立てられた。ブナ陽樹冠(高さ、18.6m)においてKIPー8510を用いた。電源は12Vバッテリ-(バス用、GSN120H)を鉄塔下部に設置し、20Aコ-ドを鉄塔上部に導き供給した。三脚を利用してチェンバ-、コントロ-ラなどをセットした。120Ahのバッテリ-の利用によって測定期間中の電気量が賄えた。 ブナ陽樹冠の光合成・蒸散速度は最大6.55mgCO2/dm2/hrで、そのときの蒸散速度は1.14gh20/dm2/hrであった。飽差は1.02kPaと比較的過湿条件での測定だった。測定を通して言えることは、外気温追従チェンバ-は急激な日射量の低下にともなう葉温またはチェンバ-内気温の低下により、それまでにサンプルからチェンバ-内に蒸散された水蒸気量及びチェンバ-内でのガス置換速度を考えると、チェンバ-内は容易に結露またはそれに近い状態にあることがわかる。日射が不安定になった、15時前後からチェンバ-内飽差はゼロになっていることがわかる。このことは内蔵された湿度センサ-の使用条件を超えることになる。一度結露すると、センサ-のスパンがずれ再度校正を行わないと使用不能になる。したがって、次の機会にはぜひ湿度制御付きのチェンバ-が必要である。
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