研究課題/領域番号 |
62860022
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
樋口 光夫 九州大学, 農学部, 助教授 (80038257)
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研究分担者 |
鶴田 夏日 大鹿振興, 研究技術部, 係長
藤本 勝 大鹿振興, 研究技術部, 部長
小西 信 大鹿振興, 建設材料部, 部長
山口 東彦 九州大学, 農学部, 助手 (10091381)
坂田 功 九州大学, 農学部, 教授 (10038169)
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キーワード | 水溶性フェノール樹脂 / ノボラック / 硬化促進剤 |
研究概要 |
水溶性フェノール樹脂の硬化促進剤としての粉体状ノボラックの製造法として次の2方法を検討した。 1)懸濁重合法 酸触媒を用いてフェノールとホルムアルデヒドを反応させると、樹脂相と水相に分離するが、界面活性剤を添加すると樹脂相が微粒子となって水相に懸濁した状態となる。各種界面活性剤について検討したところ、市販の界面活性剤のほとんど全てのものについて粒子の融着現象が見られ、反応度を高めることが出来なかったが、リグニンスルホン酸を使用すると微小な球状ノボラックが得られることがわかった。リグニンスルホン酸を使用すれば、粉体状ノボラックは懸濁重合液の濾別、水洗、脱水によって簡単に得られ、また濾液および洗液は濃縮して再使用が可能であるので製造コストはかなり低くできる。 しかしながら、得られるノボラックの重合度は2)で述べる方法で得られるノボラックのそれに比べて低く、したがってフェノール樹脂の硬化促進剤として効果も2)の方法で得られるもののそれに比べて劣ることもわかった。 2)酸触媒での縮合ののち、さらにアルカリ溶液として縮合を進める2段階縮合法 酸触媒を使っての縮合では、可溶、可融性のノボラックの平均重合度は1,000程度までしか上げられないが、可溶性のノボラックをアルカリ水溶液に溶解し、ホルムアルデヒドを添加してさらに縮合を進めると重合度を上げることが出来る。酸触媒による縮合からアルカリ性下での縮合を連続的に行なう場合の条件を検討し、酸触媒下では数平均重合度で約10程度のノボラックとし、アルカリ水溶液に溶解したのちフェノール/モル当り0.1Mのホルムアルデヒドを添加して縮合を進めると、フェノール樹脂の硬化促進剤として効果の高いノボラックが得られることがわかった。
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