研究課題/領域番号 |
62860026
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
綱島 不二雄 山形大学, 農学部, 助教授 (70089803)
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研究分担者 |
五十嵐 弘 山形大学, 農学部, 教授 (80007070)
太田 三郎 山形大学, 農学部, 助手 (10113929)
神尾 彪 山形大学, 農学部, 教授 (00007072)
赤沢 経也 山形大学, 農学部, 助手 (70113917)
富樫 二郎 山形大学, 農学部, 教授 (40006010)
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キーワード | 低農薬栽培 / 湛水効果 / 土壌性細菌の生態 / 輪換田畑の保水条件 / 土壌水分と発病機構 / 水稲疎植栽培の低農薬化効果 |
研究概要 |
最終年度でもあり、これまで得られた成果の中でもとくにより大きな課題として展開しうるものにしぼって共同研究を継続した。 得られた成果の中で具体的技術定着条件を形成しうると思われる点を以下に述べる。第一は、輪換初年における輪換畑においても白菜軟腐病菌の広範な存在が確認されたことである。田畑輪換の防除効果は従来変われていたところであるが、上記の確認は低農薬栽培の成立が一層困難になっていることを示すものといえよう。ただし、一方では軟腐病の発病が根圈土壌中での病原菌の増殖に加えて地上部の生育状態と密接に関係しているとの結果を得ている。このことは施肥条件によって地上部の生育を調整し、軟腐病を防除できる可能性を示すもので、新たな防除法として今後研究をすすめていきたいと考えている。第二は、地下水位、土壌水分と地表部気象条件の連続観測の結果、輪換畑と熟畑との地下水分構造の相違が具体的に明らかにされたことである。輪換畑と熟畑との地下深20cmまでは、保水力にもそれ程の差異は見られないものの、それ以下深での水分には大きな差異がみられた。その差はとくに地表乾燥時の土壌保水に顕著にあらわれ、乾燥時での熟畑における作物への水分供給機能の優位性があらためて示されたものである。このことは、安定的な作物生育にとって熟畑のもつ意義をあらためて確証するものである。なお、残念ながら、試験期間中の異常気象にも影響されて、水稲疎植栽培の防除効果については、予期した成果が得られなかった。 今後は、この科研費研究の成果をふまえ、農家レベルの低農薬栽培技術の分析と合わせ、上記の三点を中心に共同研究を続けてゆくつもりである。
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