研究課題/領域番号 |
62860034
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 宮城県農業短期大学 |
研究代表者 |
斉藤 孝夫 宮城県農業短期大学, 畜産科, 教授 (40099130)
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研究分担者 |
小関 太郎作 日本鹿研究協会, 理事
石田 光晴 宮城県農業短期大学, 畜産科, 講師 (40151386)
池田 昭七 宮城県農業短期大学, 畜産科, 講師 (50070222)
武田 武雄 宮城県農業短期大学, 畜産科, 教授 (60105179)
TAMATE Hideo the departed
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 養鹿 / ニホンジカ / 集約的飼育管理技術 / 新食肉資源 / 食肉利用性 / 保定 / 栄養生理 / 鹿乳 |
研究概要 |
東北地域を主体とした養鹿場の実態を把握するとともに、ニホンジカの集約的飼育管理を試みながら、関連技術の確立と鹿肉の利用性開発をはかるための実験を重ね、数多くの知見を得た。産業動物として養鹿している施設10ヵ所を調査の対象にした。養鹿場開設の目的は鹿肉の生産利用加工販売、鹿茸の生産・製品化あるいは生産子鹿の素畜出荷などであるが、ふれあい動物園としての観光を兼ねている施設もある。シカの種類はほとんどがホンシュウジカ(ニホンジカ)で、ほかはエゾシカ、ヤクシカ、アカシカ、梅花鹿、美国梅花鹿および水鹿などである。飼料は購入し、給与している施設が大部分であった。シカの鎮静・保定のために、筋弛緩剤キシラジン1.0mg/kgが有効であった。その拮抗剤としてヨヒンビン1.0mg/kgの投与量によって速やかに前の状態に回復した。シカの出産は概ね6月上旬から7月下旬で、出生時体重は3.3〜3.9kgの範囲に入る。自力で歩行するまでに27〜62分を要した。人工哺育の効果も調べた。シカの飼料採食量は季節とともに変化がみられたが、嗜好性の高い飼料を増量給与することにより、晩秋から冬期にかけての食欲や体重の減退を軽減することができた。飼料の採食性や消化率はメン羊に近似しており、飼料利用性は他の反芻家畜より低いか、同程度であると結論された。生理的諸元をみると、筋弛緩剤投与後の不動化状態で、体温が成鹿38.4℃、子鹿39.2℃、心拍数は成鹿38.8、子鹿39.8回/分であった。赤血球数は成鹿で915万個/mm^3となり、白血球数は4270個/mm^3であった。鹿乳の成分は、pH6.80、酸度0.33%、水分78%、固形分22%、粗タンパク質8.53%、脂肪7.50%、乳糖4.42%、粗灰分1.15%を示した。鹿肉の枝肉歩留りは60%以上、精肉のpH5.5〜6.2、水分活性値は0.95〜0.98であった。高タンパク質、低脂肪の特徴をもつ。鹿茸は1本300〜400gで、1頭から2本得られた。
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