研究課題/領域番号 |
62860038
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金川 弘司 北海道大学, 獣医学部, 教授 (00111162)
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研究分担者 |
宇高 健二 雪印乳業株式会社, 受精卵移植研究所, 研究員
富樫 久 雪印乳業株式会社, 受精卵移植研究所, 研究員
菱沼 貢 北海道大学, 獣医学部, 助手 (30183578)
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キーワード | 牛 / 受精卵(胚) / 切断2分離 / 双子生産 / マウス |
研究概要 |
1.牛受精卵(胚)の切断2分離と染色体検査による性別判定 牛の桑実胚と胚盤胞65個について切断2分離を行ない、対の片方の胚について染色体標本を作成して性別判定を実施した。その結果、66.2%で分裂中期核板が得られ、38.5%で性別判定が可能であった。染色体標本による性判別率は、キナクリン染色を実施することによって向上した。性別判定された切断2分離胚15個を15頭の受卵牛に移植した結果、5頭が妊娠し、2頭は妊娠70〜80日で流産したが、残りの3頭から正常な雌子牛3頭が生まれた。子牛の性別は切断2分離胚の染色体検査の結果と一致していた。切断2分離胚の移植によって生まれた雌牛は、正常に発育し、乳量にも異常は認められなかった。 2.牛における1卵性双子の作出 桑実胚、初期胚盤胞および胚盤胞を切断2分離し、1頭の受卵牛に切断2分離胚を1個移植した場合の受胎率は、それぞれ76.3%(29/38)、75.4%(6/8)および62.5%(10/16)であり、有意差は認められなかった。1頭の受卵牛に切断2分離胚を1個あるいは2個移植した結果、受胎率は、それぞれ、72.6%(45/62)および61.5%(8/13)であった。無処置胚を1個移植した場合の受胎率は72.9%(35/48)であり、有意差は認められなかった。しかし、移植した切断2分離胚数に対する産子数の割合は、切断2分離胚を1個移植した場合には71.0%(44/62)であったが、2個移植した場合は23.1%(6/26)であった。1卵性双子の作成は、切断2分離胚を1個移植した場合には31組中14組(45.2%)で可能であったが、2個移植した場合は13組中2組(15.4%)のみであった。切断2分離胚を2個移植した場合には、死・流産などが多くみられた。
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