研究課題/領域番号 |
62870003
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本郷 利憲 東京大学, 医学部, 教授 (60013843)
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研究分担者 |
赤塚 孝雄 山形大学, 工学部, 教授 (80091875)
佐々木 成人 東京大学, 医学部, 助教授 (50110490)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 赤外線ダイオード / 位置計測 / 指向運動 / 標的到達運動 / 筋電図 / 運動解析 |
研究概要 |
通常見られる運動は複雑な多関節運動であり、高速から低速、粗大から微細と広範囲にわたる。この複雑で多様な運動を定量的に記述、解析するには従来の方法では困難であった。本研究では1.position sensitive device(PSD)の高速性能と多点計測性能に着目し、このPSDを用いて無拘束動物の自然な運動の二次元及び三次元像を、時間分解能1ミリ秒、空間分解能0.5ミリで最大8点(二次元計測時)または4点(三次元計測時)の位置検出により解析し、2.同時に運動時の筋電図(EMG)、眼球運動(EOG)等の情報を取り込み、運動との対応関係、相関関係を解析するシステムを開発した。このシステムの開発に関して特記すべきことは、上記の高い時間、空間分解能が得られたのは高感度のPSDと小型、広角、高出力の赤外線発光ダイオードが開発されたことに負うところが大きいことである。このシステムを用いてネコの標的到達運動(target reaching movement)と指向運動(orienting movement)を解析し、実際の運動の定量解析をon-lineおよびoff-lineで行うことができることを確認した。また自然な運動を損なうことなくかつ非侵襲的に動物にLEDを取り付けることができたが、この場合動物の運動はほかの拘束的装着方法を用いた場合と明らかに異ったパターンを示し、従って動物は状況によって異なるstrategyを用いて運動を行うことが示唆された。このことは運動制御機能の多様性を示し、多様な運動の解析が可能な本システムの有効性を示すものと考えられた。またカイニン酸で脳を微小破壊した動物の運動が一見正常に見えるときも、この運動解析システムによって異常を検出し、これを定量的に解析することができた。以上のことは、このシステムが今後人間を含めた動物の運動解析システムとして有効に使用し得ることを示している。
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