研究課題/領域番号 |
62870007
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡邉 悟 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00021361)
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研究分担者 |
須藤 秀雄 川崎重工業, 航空機技術本部宇宙機器室, 係長
三木 三省 川崎重工業, 宇宙開発室, 室長
田中 正文 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (30197470)
木田 光郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80023654)
森 滋夫 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (00023656)
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キーワード | 宇宙実験用閉鎖環境生命維持装置 / 微生物分析 / アンモニア処理 / バイオテクノロジー / 超小型テレメータ / データ圧縮法 |
研究概要 |
昭和62年の後半期において行われた完全閉鎖環境下にて、糞尿処理を行った場合と処理をしない場合の2回、いづれも4週間飼育を行った実験結果から、シャワー方式による空気清浄化の効果が大きいことが見出された。その際ことに空気中のアンモニアの吸収効果がシャワー塔内の細胞の増加とに関連性があることがおおよその予測として見出すことができた。本年度は(1)アンモニア分解菌の至適PH時の測定、(2)アンモニア分解菌の作用という考えをとらず、硫酸アンモニアが飼料となって一般細菌の増殖を引き起こすとの仮定から硫酸以外のバッファーを用いてPH調整を行い、アンモニア分解菌の作用か、一般細胞によるものかを同定しようとこころみた。第1回は硫酸によるPHの調整を至適PHからのずれ7.4から9.8の間、平均して8.41SDは0.83という範囲で行った。その結果空気中のNH_3は4週間を通じて0.47±0.24PPMと非常に低い値に保つことが可能であった。この時のシャワー塔内の細菌の固定はマイクロバクテリウム及びシュードモナスの増殖が観察されている。これらは窒化菌ではあるがその前段階の硝化作用に欠けることから、アンモニアを窒素までに分解しているのかは不明である。第2回の実験ではバッファーにトリクロロ酢酸を用いた。その結果シャワー水中のNH_4イオン濃度は推定上の濃度通りに増加することが計測され、アンモニアによって生成されるトリクロロ酢酸アンモンは微生物によって処理されにくいことが明らかにされた。硫酸アンモンの形が細菌による処理に都合が良いことが示された。次に、小型テレメータの体内植込みによるデータの取得法の開発と、データの圧縮法が検討され、テレメータには米国製の超小型トランジスターを用い現在3ケ月の長期記録に成功している。データ圧縮は心電図の数値化(心拍数、P-R間隔の変動係数)と異常値の検出が主なプログラム開発となった。
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